いつまでも住み慣れた地域で 歳を重ねても日常生活を維持できる福岡市に(前)
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福岡市議会議員・自民党市議団政調会長 調 崇史 氏
当選3期目で若いながらも自民党福岡市議団政調会長を務める調崇史市会議員。記者時代に「都市型限界集落」の取材に取り組んだ経験があり、高齢化が進むコミュニティの維持・活性化に若い力と自らの経験を活かしたいとの思いから政治家を志した。議会ではとくに郊外部の交通問題の改善に関心をもち取り組んでいる。高齢者が住み続けられるまちづくりについて、調氏に話を聞いた。
いつまでも住み慣れた地域に住むために
――地域の問題に強い関心をおもちですね。
調崇史氏(以下、調) 都市部で局地的な高齢化・過疎化が進むケースを「都市型限界集落」と言います。福岡市でも公営の団地やかつて丘陵を切り拓き造成された住宅街などで局地的な高齢化が進んでいます。私は城南区の金山団地に居住していますが、同区は市内7区のなかでも高齢化の進行が速く、高齢者の単身世帯が多いのが特徴です。若い力が不足し、先細りしていくのでは、という問題意識をこの10年間、一貫してもち続けています。
公団は福岡市政の「守備範囲」ではないものの、金山団地の近隣にある福岡大学と連携して、学生に居住用として部屋を提供し、地域の行事の担い手になってくれたらというアイデアをもっています。ただ民間の賃貸事業者のことなども考慮する必要があるため、大きな展開はできないだろうと思います。七隈線の開通により地下鉄で福大に通う学生が増えたため、大学周辺のアパートなどにはすでに空き部屋が出始めています。今後の七隈線延伸を踏まえ、早期に有効な対策を考える必要があります。
福岡市は行政計画に「いつまでも住み慣れた地域で」と記載しています。しかし、高齢者の運転免許証の返納が推奨されている状況下、住み続けたいと思いながらも、やむを得ず家を売却して、中心部の便利なところにマンションを借りたり、サービス付き高齢者向け住宅に移ったりする高齢者が増えてきています。
彩りのある街の姿を保つには、都市周辺エリアの人々の生活を含めて考えないといけません。生活の豊かさを考えるうえで都市周辺エリアはとても大事です。都市周辺エリアで頑張っている人がいなければ、農村・漁村が苦境に陥り、博多のまちの最大の魅力ともいえる「豊かな食」がたちまち危機に瀕することになります。コンパクトシティにすれば行政コストを最少化できるかもしれませんが、この生活を守ることは、コストでは語れない性質のものだと思います。
(つづく)
【茅野 雅弘】
<プロフィール>
調 崇史(しらべ・たかし)
1978年福岡市生まれ。2002年に九州大学を卒業後、テレビ西日本に入社。10年に同社を退社し、元福岡市長秘書に。11年に福岡市議会議員初当選(城南区、現在3期目)、19年に自民党市議団政調会長に就任した。
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