【縄文道通信第43号】天職ガイド―日本は90%サラリーマン社会―パラダイムシフトで見えて来るものは(前)
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(一社)縄文道研究所
NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第43号の記事を紹介。
日本は90%がサラリーマンの社会~コロナ後に見えてくる社会とは
以下に、衝撃的な数字と事例をご紹介したい。
(1)東大発ベンチャー企業が計268社で国内大学1位(2019年9月経済産業省調査)。優秀な東大生は、霞が関と大手町からベンチャー志向へと変化している。
(2)日本の中小企業381万社のオーナーの60%は70歳以上。251万社のオーナー企業経営者のうち、約半分の127万社が後継者を決められない。経産省は、2025年までにこれらの企業が廃業すると約650万人が職を失うという厳しい予測値を出している。(古小路勝利『会社の後継者育成をめぐる7つの大罪』清文社)
(3)日本の労働人口6,500万人のうち約1,000万人が転職を希望し、そのうち転職するのは約60%だが、市場でのミスマッチが転職者数と同規模で発生している。(大手人材会社の研究所報告)
(4)DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を迎えて、30年までに約79万人の人材が不足すると経産省は予測している。AI ロボット、セキュリテイ、IoT、G5、フィンテックといった、今後の日本経済を牽引する人材がとくに不足する。上記の現象は、すべて現在の日本の人材市場で発生しており、今後も我々の生活に大きな影響を与えるであろう。
要するに、大きなパラダイムシフトのなかで、日本人材市場の流動性が問われ、適正で円滑な流動性が要求されているということが問題だ。
日本の労働市場は戦後一貫して市場動向に応じて規制緩和を行い、流動化に対応してきた。ところが、グローバリゼーションの進展、インターネット化、DXの急速な動きに加えて、今回の新型コロナウイルスの影響があり、地殻変動を起こしている。
問題の根源は、日本の教育システム、企業の人材採用・育成システム、個人の職業観・仕事観というすべての変革が問われていることにある。
ここでは、縄文道の天職ガイドの視点で論じてみたい。
市場の流動性の阻害要因
(1)終身雇用制度の負の側面
(2)年功序列的体系の負の側面
(3)偏差値的学歴主義の負の側面
(4)個人の就社意識―サラリーマン的志向の負の側面市場の流動性の活性化のためのヒント
(1)「終身雇用―メンバーシステム型」から「職務中心―ジョブ型」へ
職務の明確化は、サラリーマン個人が「ジョブ型―天職」へと目覚める機会になり、さらに高度化、専門化、細分化すると、プロ意識と天職への目覚めが進む。自己の職務の明確化と研鑽への意識変革につながり、市場価値を高める。
(2)年功序列から「職務と遂行能力―成果を生み出す能力」の評価へ
日本社会の秩序の源泉は、年功を重んじることだと思う。これは個人の人生での経験値によるもので、年齢を重ねた人は知恵や生きる術を心得ており、尊敬されるべきだと思う。ただ、激変する企業社会においては、職務遂行能力や成果を生み出す能力評価を優先し、年齢での差別をなくすべきだ。そこでは、人格、人間性への評価を共有できる価値観を醸成することも求められる。
とくにDX化、IT化する時代では若者が技術的に優れているため、若者がシニアに教授し、シニアは若者から学ぶ相互協力、協働の時代に入ったと思う。これこそが、個人のスキルを認識した、天職への自覚の時代だ。ただしシニア世代の尊厳を大事にし敬意を払うことにより、年長者への思いやりという日本人の美徳は存続されるべきだ。
(つづく)
Copyright Jomondo Kenkyujo
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