【IR福岡誘致特別連載6】「政治家への対策費ゼロ」なんて信用できない
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中国デベ・カジノ業者の恨み節
本連載の第1回目の記事にあるとおり、西戸崎の地域住民代表が高島市長に要請書を渡し、福岡市にIR誘致を要請する運動が起きている。一般的に見られる光景は、地域住民がIR誘致に反対するというものであるが、福岡はまさしくその逆であり、異例の現象といえる。今後の経過を見守りたい。
このIR福岡誘致の取材において、さまざまな話を耳にした。もっとも興味深かったのは、香港系中国資本のカジノ業者およびデベロッパーは、日本政府・政治家に対して強い不信感を持つようになっており、爆発寸前であるということである。
衆議院議員の秋元司氏が、中国系カジノ業者から賄賂を受け取った疑惑で逮捕され、現在係争中である。偽証を画策したために再逮捕となっており、悪質な犯罪と考えられる。偽証の対策費だけでも小さくない金額であることからも、秋元被疑者にはケタ違いの資金力があると判断される。実際に秋元氏が受け取った金額は、現在法廷で争われている程度の中途半端な賄賂では済まず、それをはるかに上回っていると考えるのが筋であろう。
中国資本のカジノ業者は、カジノ誘致の効果を高めるために、秋元氏に対してと同様に、ほかの国会議員や関係者にも工作資金を渡したと想像できる。IR候補地のうち1カ所でも誘致申請の許可が下りれば中国資本のカジノ業者の怒りは静まるだろうが、実際には全国を見回しても大阪以外には許可が下りていない。そのため中国資本のカジノ業者は「工作資金を渡したのにかかわらず、IRを誘致しないなんて、日本の政治家、行政の関係者は嘘つきだ。日本政府も信用ならぬ」と怒り心頭なのである。
賄賂をもらう政治家も、その魂胆を十分に承知しているはずであろう。秋元氏は血祭りにあげられたが、ほかの大物政治家が受け取った金額は桁が違うことが一目瞭然である。
中国資本のカジノ業者には、「『この政治家にお金を渡した。お金を返してくれ』と公表してはどうか!!」と助言したい。祖国である習近平政権の国家パワーを頼り、取り立ての依頼をしてはいかがだろうか。
プロジェクトチームは「対策費は要らない」と拒絶
地道にIR誘致を進めているプロジェクトチームがある。このプロジェクトチームのもとに、カジノ業者およびデペロッパー業者が「政治家への対策費を持参します。いくらお持ちしましょうか」と日参しているそうである。依頼を受けるプロジェクトチームは、対策費は数億円を超えると推測している。
しかし、プロジェクトチームが「政治家への対策費は要りません。そんなお金を受け取ったら信用を失うため、受け取ることはできない」と厳しく拒絶すると、中国資本のカジノ業者は顔色を失って、「あなたは嘘つきだ!!善人面した極悪人ではないか!!画策費ゼロでIR誘致の許可が貰えるはずがない。あなたの言葉は信用が置けない」と言いたい放題に悪態をついたという。けなされたプロジェクトチームの担当者は「彼らの相手をしても、時間の無駄だ」と心底から思ったという。
【青木 義彦】
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