地銀の経営統合~「待ったなし」を検証する(後)
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【表1】を見ていただきたい。47都道府県の地銀の状況表である。
~この表から見えるもの~
◆全国47都道府県にある地銀は、第一地銀64行、第二地銀40行の合計104行。来月10月1日、ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行が合併し「十八親和銀行」となるため、第一地銀は1行減って103行となる。
◆日本の人口(20年4月1日現在)は1億2,621万6,142人で、地銀1行あたりのパーヘッド(人口)は1,213,617人。このパーヘッドを超えているのは13都府県で、残り34県は下回っている.
◆パーヘッドが一番少ないのは島根県で33万6,946人。次が富山県で34万7,666人。以下、高知県34万8,837人。山形県35万9,019人。徳島県36万4,317人。福井県38万3,871人で、6県が30万人台。
・パーヘッドが40万人台は佐賀県、岩手県、長崎県、香川県、秋田県、沖縄県の6県。
・50万人台は宮崎県、鳥取県、大分県、三重県の4県。
・60万人台は福島県、青森県、愛媛県、山口県の4県。
・70万人台は新潟県、鹿児島県の2県。
・80万人台は山梨県、熊本県の2県
・90万人台は静岡県、和歌山県、岡山県、群馬県、栃木県、岐阜県の6県。
・100~110万人台は、福岡県、長野県、石川県、宮城県の4行を合わせて、34行がパーヘッド以下となっている。
◆パーヘッドが平均の121万人を超えている県においても、都市銀行や大手銀行の本支店と競合しており、地銀の数が過剰であることは間違いないようだ。~菅総理誕生による地銀の経営統合の行方~
安倍総理の退任表明を受けて、菅義偉官房長官は今月2日、自民党総裁選挙への立候補を表明した記者会見で、経営環境が厳しくなっている地方銀行について、「将来的には数が多すぎるのではないかと思う」と述べた。翌3日午前の記者会見では、地銀の経営について一歩踏み込み、「再編も1つの選択肢になる」と指摘したうえで、地銀の経営統合を後押しするための制度も活用し、経営基盤を強化していくことの必要性について強調していた。
<まとめ>
【表2】の通り、バブルは第3次中曽根内閣の1986年12月(昭和61年)から第2次海部内閣の1991年2月(平成3年)まで51カ月間続いた。その後バブルが崩壊して29年余りが経過しているが、今は日銀のゼロ金利政策に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて地域経済は大きな打撃を受けており、地銀は再び厳しい経営状況に直面している。安倍内閣は16日午前の臨時閣議で総辞職し、菅義偉官房長官が第99代の内閣総理大臣に就任した。今年5月には地銀の経営統合や合併を「独占禁止法の適用除外とする特例法」が制定されており、菅内閣の誕生で地銀の経営統合は、もう「待ったなし」となりそうだ。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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