十八銀行と親和銀行合併~「十八親和銀行」が発足
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2020年10月1日、長崎県に本店がある地銀2行、ともにふくおかFG傘下の十八銀行(本店/長崎市)と親和銀行(本店/佐世保市)が合併し、十八親和銀行(本店/長崎市)が誕生。長崎県に本店がある地銀は、十八親和銀行と西日本FH傘下の長崎銀行(本店/長崎市)の2行となった。
同日朝、長崎市の十八親和銀行の本店で記念式典が行われ、森拓二郎頭取(旧・十八銀行頭取)、吉澤俊介会長(旧・親和銀行頭取)、来賓の中村法道長崎県知事がテープカットをして両行の合併を祝福した。森頭取は「合併で地元の発展のために何ができるか、問われることになる」と述べ、地域経済の活性化に貢献していく姿勢を強調。
また「今日がゴールではなく、やっとスタートラインに立てたという気持ちだ。収益を上げ、経営体力を維持する体質をつくるためにも、統合・合併のシナジー効果を出さなければならない。地元の発展のために何ができるか、問われることになる」と抱負を語った。【表1】を見ていただきたい。
~この表から見えるもの~
◆合併前の十八銀行と親和銀行の経常収益の単純合計は156億2,600万円。一方長崎銀行は11億1,900万円となっている。経常利益および当期純利益においても、圧倒的に十八銀行+親和銀行との差が大きいのがわかる。
◆2021年3月期(通期)の十八親和銀行の当期純利益(予想)は200百万円に対して、長崎銀行は80百万円の予想となっている。新型コロナウイルスの影響が大きいのがわかる。【表2】、【表3】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の21年3月期・第一四半期(20年6月期)の貸出金残高および預金残高順位表である。
~この表から見えるもの~
◆合併前の十八銀行の貸出金順位は5位で、親和銀行9位。しかし単純な合計ではあるが合併すると4兆95億円。3位の肥後銀行、4位の鹿児島銀行を抜いて3位に浮上することになる。預金についても同じく3位に浮上することになる。肥後銀行・鹿児島銀行の九州FGとの預貸金競争は、熾烈になるものと予想される。<まとめ>
十八親和銀行は、現在182ある店舗のうち68の店舗を来年5月以降実質的に閉鎖する予定で、合併にともなう数百人の余剰人員を、企業経営のサポートや離島振興の拡充に充てていく計画を立てている。菅義偉首相は地域経済の活性化に向けて地方銀行の再編も選択肢と主張しており、十八親和銀行の誕生は、地銀の合併・統合が今後広がるかどうかの試金石となりそうだ。【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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