2024年11月21日( 木 )

独自のマンション管理システムを駆使 徹底的に顧客の目線に立って仕事をする

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(株)コミュニティサービス

付け焼き刃の体制やサービスで管理体制を維持することはできない

天神のKBC斜向かいにある本社ビル。管理機能の中枢として機能する
天神のKBC斜向かいにある本社ビル。
管理機能の中枢として機能する

 マンション管理業務で何よりも大切なのは、顧客からの信頼を得ることだ。一生の財産である住まいの価値を向上させ、日々の暮らしの一端まで任せるわけだから、信頼がなければ成り立たない。

 「私たちは大変長い時間をかけてお客さまである管理組合、そして入居者の皆さまと向き合っています。付け焼き刃の体制やサービスで、長期にわたる管理体制を維持することはできません」。管理業界の最前線で幾多の試練を乗り越えてきた代表取締役・樫山司氏は、顧客の信頼がいかに肝心かを説く。

 (株)コミュニティサービスが創立されたのは1978年のことだ。創立時の社名は新生ビルサービス(株)、今から40年以上前に全国でもまだ数少なかったマンション専業の管理会社として設立された同社。創業されたのは高度成長期の終焉を迎え、第一次・第二次オイルショックというかつてない大不況に襲われていたころだ。決して順風満帆の船出ではなかっただろうが、この荒波を乗り越えてきたからこそ、不動産の価値を知る同社が生まれたと言って過言ではない。

20年前から情報を蓄積するNotesが複雑な現場の業務を明解にする

 同社が顧客の信頼を勝ち得ている理由の1つが、20年以上前から導入したNotes(ノーツ)を使った独自のマンション管理システムだ。グループウェアと分類されることからもわかるが、情報を共有するツールとして時代を切り拓いたソフトウェアである。同社ではNotesの特性を活かし、マンション管理に関わるあらゆる情報を蓄積・一元化し、社内で共有する環境をつくり上げている。簡単にいえば、いつでも建物や敷地の現況、建物内設備に関する情報、入居者情報、工事履歴、マンション保険の状況、過去の保険請求、災害対応、近隣クレームなど、業務に関わるありとあらゆる情報をリアルタイムで確認できる優れものである。

 20年前からのソフトウェアと侮るなかれ。ウェブを使ったシステムを使用したNotesは、今後のスマホ対応も視野に入れたシステムであり、「現場の業務をこれ以上明解にしてくれるシステムはありません。何よりも長きに渡る情報の蓄積が、人に頼っていては絶対にできないことを可能にしています。そして便利だからと他社が導入しても、20年以上に渡るデータの蓄積は他社が簡単に行えるものではありません」とNotesの優位性を語る。

 また、情報は管理の基本である過去の記録にとどまることなく、これから起こる新たな場面にも応用でき、長期修繕計画の策定や社内教育にも使用される。顧客の側からみれば、過去の経験や他物件の事例を踏まえた細やかなサービスをする管理会社が、頼りにならないわけがない。管理組合や入居者のニーズにスピーディーに応えることで、同社は日々、顧客の信頼を厚くすることに貢献しているのだ。

福岡・佐賀・熊本で管理棟数240棟 戸数1万2000に上る管理実績

本社受付窓口。利便性に富むロケーションから、毎日多くの来客がある
本社受付窓口。
利便性に富むロケーションから、毎日多くの来客がある

 時代の荒波に揉まれながらも独立系管理会社として着実な成長をみせ、現在では福岡・佐賀・熊本エリアで管理棟数240棟、1万2000戸の管理実績を有し、マンション管理の分野では九州トップクラスのシェアを誇るまでになっている同社だが、いまだ収束の気配がないコロナ禍の影響はどうだったのだろう?

 「コロナ対策ということで、マンション管理業協会のガイドラインに沿った対応を行いました。管理組合の総会など、法令で決められたものについて苦心するところもありましたが、とくに大きな影響はなかったと認識しています」。

 マンション管理業は、不況や今回の新型コロナなどでの影響は比較的受けにくい業界ではあるが、利幅が大きくないため、一定のスケールメリットがなければ安定した業績を残すことはできない。かつてはそうした市場を狙って、ビジネスチャンスありとみた他業種が次々と参入してきたが、近年はそうした動きも少なくなっているという。一時的な表面上の魅力だけを売り物にし、その実態を知らずに参入した管理会社は自然淘汰されるのだ。同社のように管理業務の何たるかを知り尽くし、徹底的に顧客の目線に立って仕事ができなければ、まず続かない。

顧客の暮らしを第一に考え そのために行動する企業

 国内世帯の1割を超える約720万世帯(2019年時点)がマンションに暮らしているとされる今日、老朽化や高齢化といった課題もある。今後、同社のはたす役割はいっそう大きくなっていくだろう。管理組合と付き合いが始まれば、組合員の一生に関わることにもなる同社にとって、未来を見据えた戦略は必須だ。

 同社では顧客満足度の向上を目指し、フロントマン体制を敷くほか、建物設備管理においては365日24時間で対応。長期修繕計画でも、経験と実績を活かしたプランを組み立てる。そのほかにも室内リフォーム、小修繕、売買や賃貸を支援するプロパティ・マネジメントを行うなど、使い勝手の良いワンストップサービスを実現している。

 万一に備えたライフライン確保を行いたいという発想からメガソーラー太陽光発電もスタートした。そこから見えてくるのは、同社が顧客の暮らしを第一に考えていることにほかならない。安定した業績、そして堅固な経営基盤をもつ同社は、同社を取り巻くグループ企業との連携プレイもある。地場にしっかりと根差した九州トップポジションは、まず揺らぐことはないだろう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:樫山 司
所在地:福岡市中央区天神5-10-11
設 立:1978年12月
資本金:3,000万円
TEL:092-781-7770
URL:https://community-service.co.jp


<プロフィール>
樫山 司(かしやま  つかさ)
1984年、東海大学工学部経営管理学科卒業。85年に前身である新生ビルサービス(株)に入社。92年、同社取締役就任。96年の社名変更と同時に代表取締役に就任。

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