2024年11月21日( 木 )

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(株)サンコービルド

「人と自然の環境建設」をモットーに 100億円超の売上高を誇る総合建設会社

上:キャリムエンジニアリング(株)熊本事業所新築工事
下:(仮称)TRIAL桂川土居店新築工事

 建築、土木工事などの公共工事から共同住宅、オフィスビル、医療機関、福祉施設、商業施設、物流施設、工場・プラントなど、幅広い実績をもち、九州内外7カ所に拠点を展開する総合建設会社(株)サンコービルド。

 同社の歴史は1972年8月に幕を開けた。三井鉱山の坑内トンネル掘削を目的に設立され、三井鉱山竪坑トンネル掘鑿(株)として東京都中央区に本社を構えたのが始まり。83年2月には三鉱建設工業(株)へと社名変更し、本社も福岡市中央区に移転、97年7月に現住所へ移転するとともに、不動産分譲などにも進出した。「シベール」ブランドとして福岡市および県内各地で賃貸マンション事業や宅地分譲事業を展開すると、2004年3月に三井鉱山グループから独立し、同年8月に現商号に変更した。08年には弓場建設(株)が展開するマンションブランド「ユーミーマンション」のフランチャイズに加盟するなどして事業の幅を広げている。

 現在、グループ会社には14年2月に設立した持株会社のサンコーホールディングス(株)のほか、介護事業のサンコーケアライフ(株)(福岡市城南区)、建設業・不動産業のサンコー開発(株)(福岡県嘉麻市)、環境衛生・警備業の(株)九州ビルシステム(福岡県大牟田市)、土木・管更生事業の飯田建設(株)(福岡市博多区)が名を連ねる。

 創業から一貫して堅調に売上高を伸ばしてきた同社は地場総合建設業において、業界TOP10を誇る事業規模にまで成長した。19年3月に代表取締役社長に就任した松川伸太郎氏は、「近年は、おかげさまで毎期100億円超の売上高を計上し続けることができています。今後は、この体制を維持・発展させていくために組織力の強化を図り、21年3月期決算で売上高130億円突破を目指します」と語る。

新卒・中途採用に注力し 人材面の強化を図る

(仮称)文京区関口一丁目計画

 松川社長がトップになって改めて気付いたことが、人材の重要性だった。施工現場が増えれば売上は増えるが、工事部門、営業部門、事務部門のすべてが噛み合わなければ健全な収益の確保にはつながらない。

 「当社の社員は平均年齢が40代です。建築工事現場の所長クラスは30代と若手が多く活躍していますが、営業職は50代が最前線で頑張っている状況です。このアンバランスさを改善するためには、営業部員の若返りが必要不可欠だと考えています」(松川社長)。今後は建築工事現場の所長クラス同様、営業職でも30代以下の若い人材を積極的に確保し、育成していく計画だ。

 新卒採用に関しては、サンコービルドの魅力を余すところなく伝えるため、さまざまなアプローチを試みている。その1つが18年3月にオープンしたリクルートサイトだ。同サイトでは実際に働いている社員の声を紹介するほか、どのような教育体制を敷いているかをわかりやすくまとめている。「新卒採用は大事ですが、経験豊富で即戦力となる人材との出会いを増やすためにも、中途採用も積極的に行っていきたいと考えています」と、松川社長は話す。

次代を担う人材を積極採用

深耕営業×企画提案型営業スタイルで 安定した受注基盤をつくる

 以前から力を入れてきた設計施工が高水準で提供できるようになり、総合建設業者として広く認知されてきた同社。その強みは、深耕営業と企画提案型営業にある。

 松川社長は、「得意先との関係性を強め、取引を継続・拡大していくことが創業以来の強みでもありました。現在は積極的に企画提案を行うことができるようになり、大型案件も増えてきました。その反面、設計段階から自社で手がけるため、高レベルの成果実現が必須条件とされます。しかしその分、得るものも多くあります。設計施工を通じて多種多様な物件に携われていることも、今後新たな受注基盤の確保につながるでしょう。顧客の要望通りに業務をこなすのではなく、提案すべきところはきちんと提案して、最良の物をつくり上げる姿勢も大事です」と力強く語る。

 こうした取り組みを堅実に積み重ね、安定した受注基盤を築いてきた同社にも新型コロナウイルスの影響は少なからずあった。しかし、建設のニーズが減少するわけではないため影響は限定的とみられている。もっとも、「アフターコロナ」を見据えて業務効率化や働き方改革を進めていくという課題は、以前よりも重みが増しつつある。

 今後の対応について、松川社長はいう。「図面管理や工事進捗管理などを効率的に行えるITツールも多く出てきましたが、現場業務・作業の部分ではまだ早いと感じます。建設は業務範囲が多種におよび、作業工程は細分化されています。また、もっとも重要なお取引先さまとの信頼関係の構築には人間の力が不可欠と考えています。技術革新によって選択肢は増えていきますが、当社がどの選択肢を選ぶかどうかの決断には、十分な見極めが必要です。また、ITツールやロボットを利用する前に、人の力で改善できることも多いはずです。社員たちに『自らが組織の管理者である』という意識付けを行うとともに、部門間を超えた連携強化を徹底することで生産性の向上を図っていきたいと思います」。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:松川 伸太郎
所在地:福岡市博多区博多駅前1-31-17
設 立:1972月8月
資本金:9,900万円
TEL:092-414-6610
URL:http://www.sanko-bld.co.jp


<プロフィール>
松川 伸太郎
(まつかわ しんたろう)
1953年4月、福岡県生まれ。76年、福岡大学法学部卒業。90年に(株)サンコービルド入社後、営業本部長を務め、2018年4月1日、専務取締役に選任された。19年3月1日、代表取締役社長に就任し、現在に至る。

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