2024年11月21日( 木 )

地域とともに発展してきたことに感謝 より身近なスーパーマーケットへ

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(株)サンリブ

「新生活提案の店づくり、売り場づくり、接客販売」をテーマにした「サンリブ構想」

 暮らしに寄り添うスーパーマーケット。その代表格がサンリブやマルショクではないだろうか。長崎、鹿児島、沖縄を除く九州全域、そして山口、広島に133店舗を構え、事業を推し進めているのが、(株)サンリブだ。

 その歴史は1947年に始まる。創業者たち6名が、露店の漬物商から起こした会社が前身だ。最初に設立されたのが別府漬物佃煮(有)、その2年後に関門食品(株)がつくられる。

 しかし、両社は製造と卸なので現金を得るのに少々時間がかかるという問題を抱えていた。そこで日銭を稼ぐために小売を営むようになる。これが転機になり、事業は勢いよく発展していったというからわからないものだ。

 面白いのは1人のオーナーが出資した会社ではなく、6人の志を同じくする者たちが手を携えるかたちで起業したことだろう。そのため権力が集中しないよう分社制とし、責任も報酬も等しく分けることにしたという。

 52年には下関にマーケット形態の店舗をつくって大成功を収めると、高度成長期の波に乗り次々と店舗数を拡大。当初、店名は「まるしょく」としていたが、食品だけでなく日用雑貨や衣料品なども取り扱う「マルショク」にすると、時代の荒波に揉まれながらも順調に成長を遂げた。そして幾多の変遷を経た後、79年のマルショク創業30周年を機に「新生活提案の店づくり、売り場づくり、接客販売」をテーマにした「サンリブ構想」を発表するに至る。ここからサンリブを中心とした今日のグループの姿が完成されていく。

地域の人々に新しい生活を提案する そこから生まれる事業の可能性は無限大

サンリブシティは地域再開発を念頭に建設された。
2万m2超の規模を誇る

 ここでサンリブという社名についてふれてみよう。太陽のSUN、大地・生活を意味するLIVEを組み合わせて誕生したそうだ。太陽や大地、生活といった言葉のイメージ通り、現在のサンリブは地域を代表するスーパーマーケットとして人々に認知され親しまれている。ここに行き着くまでには、もちろん前述のような長い物語があったわけだが、そうした歩みのなかにあってグループ各社が常に忘れずにきたのは、地域とともに発展してきたことに感謝し、より地域のために貢献したいという想いだ。サンリブ構想に込められた理念もそこから生まれている。単なるショッピングの場ではなく、文化教養・生活情報も発信していく店にすると、高らかに宣言するサンリブ構想。地域の人々に新しい生活の在り方を提案していくことで、顧客と店の距離をより近付け、もっと身近な店だと感じてもらう。そこから生まれる事業の可能性は無限大だ。

 とくに地域貢献をテーマにした取り組みは数多い。たとえば各店舗では地産地消を推進し、地元商品の販路拡大のために特設コーナーを設置。安全で安心かつおいしい食材を提供することに加え、地域の将来を担う子どもたちに食への関心を高めるための食育を行う。

地域の人々の暮らしを支える。
その想いを共有するトラックドライバーたち

 なかでも「とくし丸」事業は、同社の考えを端的に表しているのではないだろうか。「とくし丸」とは、(株)とくし丸と提携することでスタートした移動スーパーだ。社会貢献を意味する篤志家からネーミングされた「とくし丸(篤志丸)」。サンリブととくし丸、そして販売パートナーと呼ばれる個人事業主との三位一体で運営される。スーパーマーケットは地域の人々に食品を届けることがもっとも大切な役割だ、とする同社の理念に合致したことが事業開始の理由だ。「高齢のためスーパーに通えなくなった」「近隣の小売店が閉店してしまった」など、日々の暮らしで不便を感じている顧客は多い。必要な商品を必要とされる場所まで届けていくことでその暮らしを支え、場合によっては見守ることで安心を届ける取り組みだ。

家庭と仕事の両立を支援する 社員にとってうれしい職場

 これらの取り組みから見えてくるのは、企業としての利益追求にこだわることなく、食を守る、命を守る、そして地域のコミュニティまで守っていこうという同社独特の姿勢だ。地域への感謝と貢献の想いの結晶と言ってもいい。

 店舗を構える地域の自治体との連携にも力を注ぐ。一例を挙げれば、2016年の北九州市との包括連携協定の締結がある。北九州市とともに掲げるのは「豊かな地域社会の発展」「市民サービスの向上」。北九州市産品コーナーを設置し、さらに環境保全とともに高齢者や障がい者支援、子育て支援、健康および食育、災害対策および地域の安全・安心などについて幅広く協働していくとしている。

 さて、このような取り組みを進めていくうえで優秀な人材の獲得は不可欠だ。採用については、新卒はじめ社内登用など全方位に積極的だが、女性の採用に注力していることが目を引く。消費者の生活スタイルやニーズの多様化など、社会の変化に対応するために、顧客と同じ目線を有する女性社員の存在が重要だからだ。地域に密着した店舗運営に女性社員が能力を発揮し、活躍できる職場環境づくりを推進することが、顧客満足につながることは想像に難くない。

 多様な働き方への対応、育児休暇・介護休暇の取得向上やパートタイマーから正社員への積極的な登用など。さまざまな研修プログラムの実施で、家庭と仕事の両立支援への取り組みを進めていることは、同社を職場として考える人にとってうれしい話題だ。


<COMPANY INFORMATION>
代 表 :菊池 毅
所在地 :北九州市小倉南区上葛原2-14-1
設 立 :1955年9月
資本金等:9億2,642万円
TEL :093-591-3711
URL :https://www.sunlive.co.jp


<プロフィール>
菊池 毅
(きくち たけし)
1972年10月25日生まれ。サンリブの企業姿勢について「一品一品の商品を真心こめてお客さまにお届けし、地域の皆さまに喜ばれ、信頼される企業であり続けられるよう努力し、ライフラインとしての社会的責務をはたしてまいります」と、トップとしての抱負を語る48歳。

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