2020年振り返って~地球滅亡への序章か、再生への可能性は(1)人脈財産が消え始めた
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いや長い1年であった。まずは己が生きるか死ぬかの体験をした(別紙参照)。その体験から「無駄なことはやめるぞ。生命の無駄」と決心したのである。と同時に、2020年は600年周期の大激変の年に当たる。コロナ襲来は1つの具体的な兆候なのである。
身内を5名失う
今年は身内との別れの年となった。筆者の兄貴が1年半意識不明の植物人間としてベッド暮らしであったが、ついに天に召された。悔しい。妻の長女が10年を越えるがんとの闘いを経て亡くなった。姉の連れ添いも先んじて成仏した。ゴルフ仲間であった義兄は3年間のこれまたがん闘病からあの世へ旅立った。「もう少し病気の相談に踏み込めばよかった」と後悔している。この福岡の地で、唯一親密な付き合いをしていた従妹もこれまたがんで逝った。ガンガン(がん・がん)である。逝去時の年齢は、下は74歳、上は82歳であった。
1億円を連続して失う
2020年ほど、人脈という財産を失った年はない。それだけ自身が歳を取った証拠であるが、本当に精神的な打撃を受けた。今年5月のゴールデンウィークに亡くなられた経営者は筆者にとって先生のような存在であった。いろいろなスクープ記事のネタをいただき、まさに恩人であった。この1年で10名を超える経営者とお別れをした。この12月24日にそのお別れ会に参加したゼオライト創業者・故人河村恭介氏からは、どれだけの敢闘精神を授かったかわからない。大恩人であった。
企業調査マンとして46年間、数えきれないほど多くの偉大な経営者たちとお付き合いをした。金銭的な意味合いではないが、1億円以上の価値がある経営者たちとの付き合いは100人以上におよぶ。このクラスの人を今年、3名失った。このクラスの方々の穴埋めはもう不可能である。己の時代は燃焼寸前かなと弱気になる。やはり社員1人ひとりに当社のブランドを継承させるための育成力が問われる。組織全体で完遂させる第一義的な項目は明らかである。得意先の人的関係でフォローできることが緊急の課題といえる。
35歳が試練
46年間の体験から人脈づくりを総括してみた。やはり20歳から40歳までに知り合った先輩の経営者の方々が一番、頼りになったという冷徹な真理が横たわっていることを認識すべきである。別の表現でいえば、「35歳までにどのような人脈を築いたか」ということだ。「35歳時点での人脈の程度でこの人物の将来が決定される」という法則があることを先んじて理解すると、成功する可能性が高い。さらに押し進めると、「己の個人力はたかがしれている。先輩たちの後押しがあってこそ力を発揮できる」という謙虚さが必要ということだ。
1割成長させれば5割の力を発揮できる
20代から40歳までの期間、毎年1割今よりも多く自力をつけていくとする。「おー、こいつは将来が楽しみな人材だ。よし、応援してやろう」という経営者と邂逅し、そして強固な支援を受けられるとすると、結果的にその数値は5割増となる。筆者はこの鉄則に沿った強烈な体験をした。このように強力な後押しをしてくれる人を二桁確保できれば、まずは一人前と評価しよう。しかし、このような機会が簡単に転がってくるわけがない。
40歳を超える方々には厳しい真理を突き付ける。「40歳を超えたあなたに後押ししてやろうという物好きな経営者と遭遇できる可能性は万に1つもない」と言い放つ。「あなたが10%実力をつけたならば10%の結果しか生まない。相手さまに10%のメリットを与えたならば10%しか戻ってこない」と諭す。「だがしかし、人間、歳とともに怠慢になってしまう習性がある。10%成長する努力を手抜きする人が多いね」と結ぶ。
60歳を超えた経営者も筆者と同様の見解を示してくれた。同氏は35歳で3代目を継いだ。社長になる以前から、先輩経営者たちからサポートを受けてきた。その体験から語る。「やはり先輩たちからの後押しなしに自力でやれることはたかがしれている。ただ、かわいがってもらうのも45歳が限度。今40歳以下の若い経営者たちと付き合っている。気概のありそうな者には支援することを厭わない」。
人脈財産が消え始めた年齢にようやく立ってみて、核心がよくわかる。この重要さを再確認してシリーズ(1)のまとめとする。
(つづく)
法人名
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