2024年11月22日( 金 )

虫けらよ!!オサラバ!!(3)~ITは仮想世界か、現実か不明、フェイクが横行(2)

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トランプは必ず勝利するという信念

 さて、トランプ大統領が選挙で敗北して以降、トランプ陣営は共通して「敗北を認めず、勝利する」と主張している。まず「選挙不正があらわになり、バイデン側は法的制裁を受ける」との主張は、ことごとく各裁判所で「証拠不十分」で却下された(その後の動向は省略)。次は1月6日、議会での承認の日にバイデン陣営の不正が暴露され、トランプが勝利することが流布された。

 1月6日、議事堂の暴力的占拠でトランプの立場は最悪になった。弾劾決議を上程される事態に追い込まれた。大統領退任以降、おそらく刑事訴追を受けるであろう。トランプ自身は断末魔の状態に陥っている。それなのに「米軍部と結託してトランプ陣営はバイデン本人および陣営大物を逮捕して獄中に幽閉する」と騒ぎ立てる。

 「1月20日、トランプが大統領へ返り咲くというシナリオが現実化する」と支援者たちは信じ込んでいるのである。さー待望のトランプの権力奪還=大統領復帰の日は1月20日である。残された日は10日を切った。1月20日が楽しみになってきた。

知識人までがトランプに侵される

 だが、恐ろしさも体験した。一級の知識人がトランプの言動に心酔していたことである。実例は日本でのことだ。一時は親密な関係にあった市民派政治学者(大学教授、現在は定年退官)Cが異様なトランプ信奉者になっていた。いつからかは不明。信者になるのは構わない。問題なのは、大統領選挙の敗北を認めない意識構造である。「バイデンの不正選挙は否定され、トランプの勝利になる」と強調する。

 昨年11月6日、バイデンは米大統領選挙でトランプに勝った。18日、Cから「トランプが国防長官を解任していよいよ反撃に出始めました。すでにバイデン当選を取り消した州も複数出てきており、今後の情勢展開に目が離せない」というメールが届いた。それからたびたび、「バイデン陣営の選挙不正、選挙結果の取り消し」という趣旨のメールが送られてきた。

 11月23日、「貴方の分析=トランプが勝つ見通しはまったく間違っています。もう一度、はっきりと言います。狂った分析を送らないでいただきたい。迷惑です」と突き放す反論メールを出した。「ご理解いただけなくてすごく残念です。ただ、あと1カ月だけ情勢の推移を見守っていただきたいと思います」と返事があった。その後、Cからは自分自身の活動報告が届いた。

 12月19日、筆者から「どうでもいいですが、トランプ勝利にはならなかったではありませんか。どう弁明するのですかね」と皮肉を込めたメールを返信した。

 「とにかく、1月6日までには決着がつきますので、それまでは待ってください」と平然とした対応のメール内容である。アホらしくなったのでこの後はやり取りを省略。本人は現段階でも「1月20日、トランプが大統領として復帰登場」を信じ込んでいる。

 恐ろしさとは、政治学者にどういう気の触れが生じたのか不明だが、トランプ信者になり下がったのを目の当たりにするという経験をしたことである。

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