2024年12月27日( 金 )

関係者困惑~西日本新聞の新天町再開発記事は飛ばし!?

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 2021年の元旦、福岡の地方紙である西日本新聞の一面に、センセーショナルな文字列が躍った。

 「福岡・新天町商店街 建物を高層化、パルコと一体開発も」(西日本新聞)

 福岡市の再開発促進プロジェクト「天神ビッグバン」のエリア内ど真ん中にありながら、これまで再開発に向けて静観の構えを崩さなかった「新天町商店街」(以下、新天町)が、ついに再開発に向けて動き出したというのだ。記事には既存の建物を建て替えて高層化するほか、隣接する商業施設「福岡パルコ」との一体開発などにも触れられており、もはや新天町の再開発が決定事項であるかのように紹介されている。地元紙の新年一発目の一面を飾るにふさわしいビッグニュースだといえるだろう。――事実であれば、だが・・・。

 西日本新聞の報道から早半月が経とうとしているが、その間、新天町再開発に関する記事を出しているほかの全国紙は見受けられない。よしんば元旦の記事が同紙だけの単独スクープだったとしても、後追い記事の1つや2つは出ていてもおかしくないはずだが・・・・、何とも奇妙だ。

 新天町の運営を手がける新天町商店街商業協同組合の事務局は、当該記事の内容についてのデータ・マックスの取材に対し、「(西日本新聞の)記事中での理事長のコメントの通り、内部で決まったことはまだ何もない。記事で触れられている再開発の具体的な内容については、少なくとも(協同組合の)内部から出た話ではない」とコメント。

 また、別の新天町関係者は、「西日本新聞の記事には、正直困惑している。『将来的に再開発はしようね』という方向性で、内部で勉強会などを重ねていること自体は間違っていないが、それでもまだ検討段階で何も決まっていない。ご承知のように新天町は個人商店の集まりであるため、天神ビッグバンの容積率の緩和などの恩恵も薄く、期限に無理に間に合わせる必要もない。記事中では、すでに工事業者が決定したような書かれ方もしていたが、もちろんこれも決まっていない。個人的な意見だが、何としても新天町を再開発にもっていきたいというような、何かしらの思惑が感じられなくもない」と話す。

 「新年の初めに、希望的観測も込めた派手な記事を載せるのは、西日本新聞がよくやる手法。今回の記事もそれではないのか?」(福岡商工会議所関係者)という意見もあるが、はたしてこの記事は、単なる飛ばし記事か、あるいは何らかの意図があって書かれたものか。その真相はいかに――。

【特別取材班】

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