【縄文道通信第60号】縄文道―感性知~縄文道―武士道―未来道(後)
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第60号の記事を紹介。縄文土器の作陶を提言したい
日本画は画材として岩絵具、水絵具、膠、和紙、木片、絹と西洋画と比較にならないほど、手間暇がかかっている。日本の芸術大学では西洋画に人気があるが、画家志望の学生は日本画が経済的にお金がかかることを知っているからだ。
今まで数年にわたって縄文土器の国宝3点(縄文火炎土器、縄文ビーナス、縄文女神)をパステルで描いてきたが、師匠のアトリエ高田の高田冬子先生は女子美大の日本画専攻で、日本画の画家である。
実父は筆者の父(元平成書道連盟会長書家)と二代でご指導いただいた、独立派で独自の境地を開いた大磯の高田保雄画伯である。東京芸大で安田靭彦、梅原龍三郎両氏の影響を受けた大家で、蕪村と横浜の風景を描いた画家としては日本一である。とくに高い品格を備えた画風だ。
彫刻については、弥生時代の古墳から、その後の多くの仏教芸術、とくに大仏から、仏像、菩薩像、鎌倉時代の仏師の運慶、快慶のたくましい仏像と彫像、江戸の左甚五郎作品などを経て、日本は独自の彫刻技術を進化させてきた。縄文時代以来形成されてきた形象芸術の現代の象徴はファッションデザインである。パリコレで縄文文化―セッションワンを表現した三宅一生、最近亡くなった山本寛斎、コシノ・ジュンコといった世界的服飾デザイナーは、皆縄文文化の影響を受けている。
このメッセージは筆者が日米協会の講演会後、コシノ・ジュンコ氏に縄文道の立場でデザイナーは縄文文化の影響を受けていますがと質問したところ、「縄文文化がデザインの原点です。日本人のデザイナーは三宅一生を含めて、すべて縄文の洗礼を受けているわよ」と明快な答えが返ってきた。
最後に、縄文土器が日本芸術の源流であることを述べてきたが、日本の若者の感性知を伸ばす教育方法として、縄文人と同じように野火を使用した縄文土器の作陶を提言したい。
・土に触れ
・手びねりで土器を練り上げ
・自分の好きな感覚での造形に集中し
・乾燥させ
・さまざまな木々、竹を集め
・野火を自分で火おこしして焼成する
・最後に作品を手にする以上の工程は筆者も経験したが、五感を使用し、手作業で、作品を仕上げる喜びは無上の感がある。
DXの時代、パソコンから解放され、五感、直観を磨くのに縄文人と同じ作業をすれば、日本の若者は感性知が磨かれると思う。
(了)
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