本社売却、史上最大の赤字・・・大きく揺れる電通(1)
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(株)電通グループ(東京都港区)は15日、2020年12月期の連結決算を発表した。売上高にあたる収益は前期比10.4%減の9,392億4,300万円、純損益は1,595億9,600万円と、赤字額は過去最大となった。新型コロナウイルス感染拡大により、海外事業における「のれん」の減損損失を計上した影響が大きかったとしている。
また、コロナ禍が長引いている影響で、在宅勤務体制をとっている電通グループは本社売却の動きを見せており、その売却予想額は約3,000億円と、国内の不動産売却としては過去最大になると予見されている。電通グループ近郊の汐留では、ビジネスパーソンの往来はほとんどみられず、人影が見当たらない状況で以前の活気はなかった。
21年12月期の業績見通しについては、世界的に新型コロナウイルスの収束が見通せない状況であることから未定としている。
国内の広告代理店として売上トップクラスである電通グループ。東京五輪では、(株)電通は国内外の企業約80社と総額3,500億円に上るスポンサー契約を成立させている。一方、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗元会長の失言問題による辞任、開催反対の世論もあり、東京五輪・パラリンピックの開催が危ぶまれている状況は、電通グループにとって心中穏やかではないだろう。
【麓 由哉】
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