有沿道路の福岡区間が全面開通~22年間の総事業費2,555億円
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有沿道路の福岡区間が全面開通~22年間の総事業費2,555億円
有明海の沿岸を回って福岡県大牟田市と佐賀県鹿島市を結ぶ自動車専用の有明海沿岸道路(有沿道路、延長55km)の大川東IC-大野島IC間の3.7kmが14日開通。大牟田市の三池港ICから大川市の大野島ICまで福岡県内の全区間27.5kmがつながった。
有沿道路は、政府が1987年に策定した第4次全国総合開発計画で構想された地域高規格道路網の1つ。高速道を補完する役割があり、速度は制限されるが、信号機はなく、一般道とIC(インターチェンジ)で出入りする。財源は国が3分の2、都道府県が3分の1の割合で負担する。
大牟田市で99年1月に杭打ち式が開かれて以来、大牟田、みやま、柳川、大川4市を7区間に分けて時間差で着工し、順次完成。22年2カ月近くの歳月を要した。総事業費は2,555億円。
大川東IC-大野島IC間は、九州最大河川の筑後川に架ける「有明筑後川大橋」(延長1,008m)が完成するまで4年かかった。1本のアーチリブ(弓なりのアーチ部材)が支点上で2本に分岐する2連アーチ橋という国内初の橋梁形式。少し上流の旧国鉄佐賀線の昇開橋や、やや下流の福岡県道柳川・早津江線の新田大橋とともに観光スポットにもなりそう。
国交省は、福岡県筑後地方の重要港湾三池港と佐賀市の九州佐賀国際空港を連結する広域物流ネツトワークとしても位置付ける。今回の開通によって、大牟田市と九州佐賀国際空港の所要時間は時速60kmで走ると約40分となり、国道208号などを使う場合に比べて、約50分短縮されるという。
さらに福岡、佐賀県境の早津江川橋(仮称、延長448m)を含む大野島IC-諸富IC(佐賀市諸富町)間の1.7kmが22年度中に開通する見通し。それ以西の大野島IC-佐賀JCT(佐賀市嘉瀬町)間の約9kmも国交省が「大川佐賀道路」として建設する。
一方、佐賀県内は、「大川佐賀道路」を除き、佐賀県が佐賀JCT以西の鹿島市までを整備する。現在の開通区間は嘉瀬南IC(佐賀市嘉瀬町)-芦刈南IC(小城市芦刈町)間の6.5kmにとどまる。佐賀JCTは佐賀市と唐津市を結ぶ「佐賀唐津道路」の結節点。
この日は午後3時からの開通に先立ち、大野島IC付近で福岡県選出の衆参議員、国交省や自治体の職員、建設会社の社員ら100人余りが参加して開通式典が行われた。有沿道路の“生みの親”とされる元自民党道路調査会長・古賀誠氏は「全線開通まで苦しかった。感慨深い。巨額の財政をつぎこんでいいのかと非難もされた。次世代の人がどう活かしていくか。本番はこれから」とあいさつした。
【南里 秀之】
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