2024年12月22日( 日 )

定められた時間内で最大の成果を生む 完璧な労働環境でさらなる飛躍を目指す

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)ハマジ 福岡ビジネスヘッドオフィス

デジタル商品に狙いを定めたことがハマジ躍進の大きな転機に

濱地氏が力を発揮する最初の場所となった福岡営業所

 ポロシャツにカジュアルなパンツ。ずいぶんラフな出で立ちで現れた代表取締役・濱地泰行氏。聞けば、同社では年間を通してノースーツで業務を行っているという。シャツは必ず襟付きという縛りはあるものの、堅苦しいネクタイやスーツに固執しないのは、従来の考え方に縛られず柔軟で合理的な同社の経営姿勢を現しているようでオモシロイ。

 同社は濱地氏の祖父、富三郎氏が塗料を取り扱う専門卸問屋「浜地塗料店」として、1951年に熊本でスタートした。以来、サイン業界の一翼を担い、九州においてはナンバーワンの実績を誇る企業としてその名を轟かせている。現在の(株)ハマジに社名変更したのは90年のことだ。

 とくに大きな転機となったのは2001年の福岡進出だろう。その際、先鋒として新設の営業所に配属されたのが、まだ入社ホヤホヤ22歳の濱地氏だ。しかし、若いだけに目のつけどころが従来の社員たちとは少し違った。

 「これからはデジタル商品が主流になる。そう確信していましたから、その1点に的を絞って営業したんです」。パソコンに通じていた濱地氏の狙いは見事にあたり、10億円の売上アップにつながる。従来のやり方で塗料や各種資材を取り扱っていた同社に新風を吹き込んだわけだが、この功績は大きい。若き3代目として手腕を振るっていくうえで、周囲の大きな信頼を勝ち得るキッカケになったことは間違いないだろう。現在、熊本本社に加え、福岡、久留米、北九州、長崎、大分などに8つの営業所や流通倉庫を構えるが、この福岡営業所での成功がそうした躍進につながっている。

名だたる大手メーカー機器の直取引から若者の心を捉えるアーティストまで

プレートに刻まれたのは流通倉庫を除いた6ヵ所の営業拠点

 濱地氏が代表取締役に就任したのは14年。それまでハマジの舵取りを行ってきた父、徳太郎氏が病に伏したことから代替わりした。以来、創業から一貫して取り扱ってきたサイン・ディスプレイ資材や看板はもちろん、デジタル機器、照明や映像、アパレル業界といった新しい分野にまで積極的に業務を広げ、ハマジはさらなる成長を遂げていく。

 ディスプレイ関連ではシャープやNEC、三菱照明、デジタル機器関連ではEPSONやRolandといった名だたる大手メーカーとの直取引を実現。販売基盤を確固たるものとし、同業他社と一線を画す。また、ユニークなところではYouTubeで話題になったアーティストのファン向けグッズを手がけていることが目を引く。

 「5年ほど前、彼らがこれほど人気が出るとは思ってなかった活動初期のころから関わっていました。2年前からはビジネスとして本腰を入れてやっています」。あえて名は伏せるが、若者の間では知らないものはいない有名アーティストだ。ここでも濱地氏の柔軟な発想と経営姿勢、そして勘の良さが見て取れる。

 ちなみにコロナ禍に関係するところでは、飛沫感染防止用のアクリル板の需要が伸びたという。これが、緊急事態宣言の発動で冷え込んでしまったところをカバーしているというから運も強い。

コロナ禍はチャンス 新しい人材を迎え九州のみならず他地域へと進出していく

 そんな濱地氏がとくに力を注ぐのが、労働環境の充実だ。働き方改革の流れに沿い、労働生産性の向上と離職率の低下、採用強化、そして社員の満足度の向上を目指している。これらの実現のために濱地氏は緻密に計画を練ってきた。現在の労働環境について濱地氏は、「残業は1分もありません。定められた時間内で最大の成果を生み出せる今の体制は完璧だと思っています」と胸を張る。

 たとえば土日に加え月1回の選択できる休日、さらにゴールデンウィークや夏休み時には、その前後で交替休日を取得することで年間135日の休日を実現した。今年は難しいが、社員旅行も例年海外だ。また、永年勤続者を讃える報奨金制度では、勤続3年で3万円、5年で5万円、7年で7万円、そして10年の勤続社員には20万円を支給する。しかも在籍1年以上の社員には勤続手当をつけるという。こうした制度の充実により離職率は大幅に下がったが、それ以上にめざましかったのは社員のモチベーションアップだろう。

 この労働環境が実現できているのは、トップの裁量でそうしたからという単純な話ではなく、濱地氏自身が営業として最前線で見聞きした経験から、無駄を徹底的に省き、限られた時間の枠内で最大限に業績が上がる仕組みを構築しているからだ。

 また、LINE公式アカウントを開設したという。顧客とのスムーズな連絡はもちろん、コロナ対策としても有効に違いない。しかも、濱地氏はコロナ禍をチャンス到来と読んでいるようだ。たとえばこれまで困難を極めていた採用が一気に容易になってきた。優秀な人材を迎え入れることで、まずは現エリアでの同社のポジションを不動のものとし、その次には他地域へと進出していくことを視野に入れているという。

 「来年は新卒者も迎え入れます。これからはさらに若い世代の発想力を生かしながらチャレンジしていきたいですね。ハマジの推進力は、なんと言っても社員のモチベーションです。高いモチベーションを維持してもらうためにも、今後さらに福利厚生面を充実させていきます」。ホームページを見ると「KIMONO PROJECT 」でノルウェー着物のスポンサーになっているといった話題もある。新しいことに積極的に取り組む姿勢からは、企業としての勢いが見て取れる。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:濱地 泰行
所在地:福岡市南区弥永2-6-2(福岡ビジネスヘッドオフィス)
設 立:1979年1月
資本金:1,000万円
TEL: 092-584-2221
URL:https://k-hamaji.com


<プロフィール>
濱地 泰行
(はまじ たいこう)
1979年3月生まれ。22歳で(株)ハマジに入社後、すぐに新設された福岡営業所に配属。時流に乗ったデジタル商品の提案で業績拡大に貢献する。2014年に代表取締役に就任。次々と新しい取り組みに挑戦することで同社を牽引する存在だ。趣味はジムでカラダを鍛えること。

関連キーワード

関連記事