【佐賀】物流拠点続々 鳥栖JCT半径10㎞圏に大型物流施設相次ぐ
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シンガポール企業も進出~延床面積は23万m2超
福岡市・糟屋郡圏とともに九州の物流拠点になっている鳥栖JCTから半径10km圏に大型物流施設の立地や進出が相次いでいる。コロナ禍が長期化したことによるEC(電子商取引)需要の拡大と、頻発する大規模災害を念頭にした集積拠点づくりが背景にあるとみられる。
九州を南北に走る高速道が交差する鳥栖JCTを起点に半径10km圏では、鳥栖市の日清製粉鳥栖工場跡地に三井不動産(東京都中央区)の九州2カ所目になる「ロジスティクスパーク鳥栖(MFLP鳥栖)」が完成した。
施設は1棟に複数企業が入居可能なマルチテナント型。2階建で延床面積約3万5,000m2。国道3号線沿いに面し鳥栖ICまで400mほど。南西側のほぼ隣接地にJR貨物の鳥栖貨物ターミナル駅(JR九州・田代駅)がある。恵まれた立地条件からすでに複数のテナント企業が出入りしている。
同市では4月30日にはフランスベッド鳥栖物流倉庫跡地に大和ハウス工業(大阪市)の「DPL鳥栖」も完成する。こちらもマルチテナント型施設で最大3社の受け入れが可能という。2階建、延床面積約5万m2。福岡市と久留米市を結ぶ県道17号(鳥栖・筑紫野道路)沿いで九州新幹線・新鳥栖駅から東側に約1,100m。鳥栖ICまでは4kmほど。同社と鳥栖市は、災害発生時にDPL鳥栖の一部を住民の一時避難場所に開放する協定を結んでいる。
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九州最大級の物流施設、
筑紫野ICそばに23年初め完成(前)九州自動車を鳥栖JCTから北に9.4km進んだ筑紫野IC。20年11月、シンガポールのメープルツリー・インベストメント日本法人(東京都品川区)が、九州最大級の物流施設「メープルツリー筑紫野ロジスティクスセンター」の建設計画を発表した。
現場は筑紫野ICから西側約1kmの天拝湖そば。4階建の賃貸施設2棟を建てる。延床面積は合わせて約23万2,000m2。敷地も11万6,000m2と広大だ。計画では、テナントにEC関連会社や自動車関連会社などを想定。着工時期は未定だが、1棟目は23年初めの完成を予定する。
物流拠点のさらなる増設も
鳥栖JCTから東側に6.1km走った福岡県小郡市山隈の大分自動車道・筑後小郡IC。同ICの北側から県道久留米・筑紫野線の西側にかけての一帯は、同市が工業・物流施設の集積ゾーンと位置付け、民間資金で開発工事が進んでいる。
同エリアの一角に米系物流不動産プロロジス日本法人(東京都千代田区)が1月、日本ロジテムグループの福岡ロジテム(福岡県宇美町)のニーズに合わせたBTS型物流施設「プロロジスパーク小郡」の建設を発表した。2階建で延床面積は約2万7,000m2。6月に着工し来年6月に完成する見通し。
さらに3月、CRE(東京都港区)も同エリアで約1万6,000m2を取得、物流施設「ロジスクエア福岡小郡」の建設計画を発表した。今のところマルチテナント型施設とBTS型施設の双方を両にらみしており、延べ床面積も1万8,000m2―2万4,000m2と幅をもたせている。22年の夏に建物工事に入り、23年夏の完成を予定する。
この圏内では九州自動車道鳥栖IC―久留米IC間に味坂スマートインター(仮称)が2024年度中の開通を目指して工事が進んでいる。福岡市・糟屋郡圏に比べると農業の低迷で土地確保が容易とみられ、物流施設の立地がさらに増える可能性がある。
【南里 秀之】
法人名
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