老化は確実に進む(3)設立140年超、朝日新聞社の組織再生はありえない
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読者から見捨てられる~「終始無策」
NetIB News「売上急落で大幅赤字に転落 (株)朝日新聞社」で朝日新聞社の業績を掲載した。2017年3月期の売上は4,009億円だったが、21年3月期には2,937億円まで減少し、3,000億円を割ってしまった。営業損益段階でも約70億円の赤字となっている。一番の問題点は、この5期で売上を約1,000億円減らしていることである。「経営陣はいままで何をしていたのか!」と批判されても弁解の余地はない。少なくとも他の経営者たちからは「無能集団」という烙印を押されるだろう。
こうなると(売上急降下)経営者たちだけではなく、誰からも信用されなくなる。「朝日新聞が偉そうなごたくを並べているが、『真っ赤』な業績で他人の批判をする資格があるのか!」と非難轟々、すばらしい論評をしたところで最終的には相手すらされなくなるだろう。一体、問題の根源は何なのか。記者たちは「上から下まで」他人事。「うちの会社は莫大な資産があるからつぶれることはない」と信じ込んできた。読者離れという深刻な事実に対して、向き合わずに逃げてきたことによる「地獄への転落」なのである。
あぁ、昔が懐かしい。1985年(昭和60年)当時、リクルートの江副浩正オーナーは、絶好調で「私のライバルは朝日新聞社だ。いつか追い抜いてやる」と公言していた。しかし、89年に贈賄容疑で逮捕された。情報通の間では「朝日が頭にきて江副を犯罪者に仕立てた」とも囁かれた。当時の朝日新聞社の売上高は6,000億円前後、それに対し、リクルートは江副オーナーを失ったものの、いまでは連結で2兆円超という勢いである。驚くなかれ!朝日新聞社の6倍以上の規模になっているのだ。結論として、朝日新聞社に対し、尊敬の念を抱くものはいないといえる。
内部も愚痴ばかり、批判し放題
地方の支局に左遷された50歳目前のA支局長は「単身赴任者への家賃補助がなくなった。給料も削減、ボーナスも雀の涙」と愚痴をこぼす。「情報を集めずとも、肌感覚で読者が急減しているのがわかる。部数の落ち込みが売上減の最大の要因。ところが経営陣はネットによる情報発信のための『デジタル化』と大言壮語して投資をしてきたが、売上において実体を成しえていない。その間、『固定客』である高齢者層が減っていった。悪循環だ」と語る。
それに対し、筆者は「確かに若年層においては紙媒体に見向きもしない傾向が強まってきた。それは気の毒だと思う。しかし、記者であるあなたたちにも責任があるでしょう。記事発信の姿勢に問題がある。読者が読みたい記事が減り、権力との癒着が赤裸々になり、信用を失ったからではないか。そして、あなたにも責任の一端がある。愚痴をたらたらと述べておれば、老いは一挙に襲ってくるだろう」と糾弾した。
A支局長は「ご指摘は当たっているが、自分が何から手を付けて良いかわからない。あと1年間、単身赴任しながら老後のことを考えよう!」などと暢気なことをいう。「まだ会社は大丈夫」と信頼しているようである。愚痴をこぼし、他人の批判を繰り返すだけでは組織の再生はあり得ない。
法人名
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