【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(24)~新福岡空港オープンパラレル構想案
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C&C21研究会 理事 下川 弘 氏
C&C21研究会では「新福岡空港オープンパラレル構想」として、新福岡空港の空港島についての構想案を検討してみた。
以前に福岡空港の総合的調査が行われていた2008年ごろは、ちょうど「公共工事=悪」という風潮があり、空港建設費をできるだけ抑える必要があった。そのため、空港島をなるべく小さくするかたちで計画。滑走路の配置は、クロースパラレル(両滑走路間の距離が短く、並行滑走路への同時進入・出発は原則として不可能)で検討されていた。
しかし今回は、24時間同時離発着が可能なオープンパラレル(滑走路の間隔は、ICAO(国際民間航空機関)の規定では1,525m以上、国交省航空局の資料では1,310m以上となっている)での検討を行っている。将来の福岡に本当に必要な国際空港を考え、それぞれ4,000m滑走路2本と3,000mの横風滑走路1本を配置した合計3本の滑走路を持つ新空港島(約1万2,000ha/現空港の約3倍)を計画している。
この新空港島のなかには、民間の空港ターミナル(国内線・国際線)や貨物ターミナルはもちろんのこと、管制塔、レーダー施設、気象施設、国交省施設・外務省施設・財務省施設、そして防衛省施設を配置。航空自衛隊築城基地からのスクランブルへの対応機能として、アラートハンガー(スクランブル発進のために設けられた格納庫)も設けている。
さらに最北端には、沖縄県の米軍施設負担軽減の1つとして、米軍海兵隊の一部施設を配置。対中国・対北朝鮮への抑止力となり得ると考えている。
(つづく)
<プロフィール>
下川 弘(しもかわ・ひろし)
1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。関連キーワード
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