九大病院にコロナ軽症者向け治験薬紹介のコールセンター設置~厚労省
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新型コロナの軽症患者向けに製薬会社が開発中の治療薬の臨床試験(治験)を後押しするため、厚生労働省は患者が外来や通院で治験に参加できる医療機関を紹介する相談窓口を全国(地方厚生局単位)に設置した。九州厚生局管内では九州大学病院にコールセンターを開いて対応している。
厚労省治験推進室によると、まず緊急事態宣言を発出中の21都道府県をカバーする「臨床研究中核病院」にコールセンターを開設。患者の居住地や年齢を参考に、参加できる可能性のある治験相談窓口を紹介する。最終的には、患者またはその家族が製薬会社などの治験相談窓口で詳しい説明を受けた後、判断する。
6日現在、コールセンターを開設済みの臨床研究中核病院は、九州大学病院のほか、北海道大学病院(北海道厚生局)、東北大学病院(東北厚生局)、千葉大学医学部附属病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、慶応大学病院(関東信越厚生局)、名古屋大学医学部附属病院(東海北陸厚生局)、大阪大学医学部附属病院(近畿厚生局)。
また、中国四国厚生局管内では岡山大学病院、関東信越厚生局管内では東京大学医学部附属病院がそれぞれ準備中。
参加希望者は、コールセンターで案内された治験相談窓口に連絡し、医療機関を受診する。
コロナ治療薬について厚労省は7月、中外製薬の点滴注射薬を入院患者(軽症~中等症Ⅰ)向けとして特例承認を行った。その後、50歳以上や基礎疾患を持つ外来患者にも適応を拡大。現在、同社は予防接種並みの皮下注射剤に投与方法を変更し、濃厚接触者への予防にも使えるように適応拡大を厚労省に承認申請中だ。
ただ、増え続ける在宅療養者が容易に服用できる経口薬は、医療現場の負担が軽くなるためニーズが高い。国内で治験中の軽症患者向け治療薬は経口タイプがほとんどとされ、厚労省は治験の加速化を狙って開発支援を計画している。
軽症患者を対象に国内で治験中の代表的なコロナ治療薬として、厚労省は「AT-527(ロシュ)」「モルヌピラビル(MSD)」「PF-07321332(ファイザー)」「ファビピラビル(富士フイルム富山化学)」を挙げているが、これらはすべて経口薬だ(カッコ内は治験を実施する製薬会社)。
国内の治験・臨床研究に関する情報は「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」(jRCT)などで公開されているが、厚労省は「各コールセンターが発信する情報は、jRCTの公開時期よりも遅れるが、一般の人にはわかりやすいはず」(治験推進室)と話している。
九州大学病院のコールセンター(TEL:092-642-5599)の受付は、月曜~金曜の午前10時から午後3時まで。
【南里 秀之】
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