突然の社長交代 五洋食品産業に何が起きているのか(6)
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前回に引き続き、崎原正吾新社長へのインタビューである。
――ファンドにとって舛田氏、藤永氏が邪魔だったようにも見えますが・・・。
崎原 大株主であるファンドも、本当に苦渋の選択だったと思います。前日まで舛田氏を残す案もあって、ぎりぎりまでどうするか悩んでいたと聞いています。邪魔だったというよりも、数ある選択肢のなかから、今のかたちがベストではないか、そうした判断の基にこういうかたちになったと。少数株主の方からすると、ご納得いただけない部分はあると思いますが、それは承知の上だと思います。
――ファンドの出口(EXIT)戦略の影響でしょうか。
崎原 EXITのタイミングがきているのは間違いないですね。そのプロセスにおいて、少し相違があったというか。お互い歩み寄れる部分があったのではないか、と私は思いますけれど。なので、もう少しプロセスのなかでお互いにいいかたちがあれば、こういうかたちにはならなかったのかな、と思います。
――舛田氏、藤永氏が外されて、崎原社長を残した理由は何だと思われますか。
崎原 もともと舛田氏と藤永氏が、株主への窓口でした。私たちは、あまりタッチしていなかったので、舛田氏や藤永氏から聞く情報が、私たちが知り得る情報でした。役員に情報は降りてきていましたが、2人が直接的に担当していたからかな、と思います。
――経営に詳しい2人より、経験の浅い社長のほうがファンドに都合が良いからでは。
崎原 私は比較的、他の役員に比べて、ファンドの方々とコミュニケーションを取っていたほうなんですね。営業の責任者ということもあって、業績の報告だったり、進捗を聞かれてお答えするようなこととか。他の役員は、そこまで面識というか、頻繁に会って連絡するようなこともないですし。そういう意味では私が連絡を取りやすい部分はあると思います。私は年数も経験も浅いですが、会社にとって社員にとってベストチョイスができる自信はあります。ただ、私だけじゃなくほかの役員の考えも含めて、結論というか方向性は出していきたいと考えています。
――ファンドと崎原社長が組んでのクーデターではないのですか。
崎原 お取引先からも「崎原さんがクーデター起こしたもんと思ってます」と言われたので、私も気を遣って今、お話ししています。ただ、お話しできるところが少ないので「クーデターじゃないです」と申し上げたところで、お話しできる内容がないことで「やっぱりクーデターじゃないか」と思われても致し方ないかな、と思いますが、決してそういうことではないです。私も当日まで、まさか代表をするとは思っていませんでしたし。いろいろ考えたなかでベストかなと思って、やりたいなとは思いましたけど。お取引先や関係者の方々には、業績の部分で結果を残してご安心いただきたいと思います。少しでも不安が取り除けたらと思って、できる限りのご説明というのはさせていただいています。
――ファンドと崎原社長に密約はなかったのですね。
崎原 まったくそういうことはないです。もう少し見守っていただければ、嘘じゃなかったと思っていただけるタイミングが来るのかな、と思っています。
(つづく)
【緒方 克美】
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