産業医科大病院、急性期診療棟の新築工事進む
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産業医科大学病院(北九州市八幡西区)は、高度急性期医療に対応する診療棟の新築工事を進めている。最新機器を備え広いスペースを確保した手術室を17室整備するほか、新型コロナなど感染症対策としてICU(集中治療室)に陰圧個室を設けるなど医療環境の充実を図る。今年5月に着工、2023年8月の開院を目指す。
「急性期診療棟」は鉄筋コンクリート一部鉄骨造の免震構造で、地上5階建て。延べ床面積約2万2000m2で、病床数205床。手術室は現在の12室から17室に増やし、さらに将来の手術件数増加に備えて増設スペース1室分を確保する。MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピューター断層撮影)を使った検査もできる「ハイブリッド手術室」を3室設置する。現在は最も広い手術室でも約40m2だが、新たな手術室は50~100m2とする計画だ。
また、ICUは10床整備し、うち2室を陰圧個室とする。スタッフステーションは中央に配置し、見守りやすいホール型とする。妊産婦や新生児への高度な医療を提供する「総合周産期母子医療センター」を整備し、NICU(新生児集中治療室)の面会室にはウェブカメラを使った専用室を設置する。
急性期診療棟建設の総事業費は、導入する医療機器を含め約200億円。同病院では広く寄付を募っている。詳細は産業医科大学ホームページ「産業医科大学病院急性期診療棟にかかる寄付金の募集について」で。
同病院は北九州地区で唯一の特定機能病院だが、開設から40年以上が経過し、施設の老朽化や狭隘化が目立ってきていた。新診療棟の整備により、将来にわたり高度急性期医療の中核を担い、指導的役割をはたす基幹病院として機能強化を図る。生田正之・同大理事長は「高齢化が進む地域で、今後も高いレベルの医療をリードしていきたい。また、さまざまな感染症にも対応する心構えで整備する」と話している。
【山下 誠吾】
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