人にも環境にも優しい農作物を食卓に 食をめぐる意識改革を牽引して
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オーガニック・ランド(株) 代表取締役 一百野 昌世
専門家の目でしっかりと分析し 農地にとってベストの策を提案
「毎日の食事の意義をどう捉えていますか?」。健康を維持するためか、それとも単に空腹を満たすだけか。オーガニック・ランド(株)の代表取締役、一百野昌世(いおのまさや)氏はそう問いかける。20年以上にわたり、有機農法に取り組む農家を総合的に支援する事業を通じて食の安全と安定供給の確立に尽力してきた、日本を代表する有機農業のエキスパートだ。
日本ではまだ数少ないが、土壌診断に基づく農業指導を行う「土壌医」という土づくりの専門家たちがいる。一般的な農業指導において、土壌の改善といえば、肥料の選択という観点からなされることが多い。つまり「化学的」アプローチが主流なのだが、土壌医は土地の形状や性質、生態系といった「物理的」「生物的」な視座も入れたベストな処方箋を提供する。一百野氏はそんな土壌医の第一人者として活発な講演・執筆活動を行い、啓蒙と後進育成に日々邁進している。
農業のあるべき姿を実現するために 「みどりの食料システム戦略」
農林水産省は2021年5月、持続可能な食料システムの構築を目指す「みどりの食料システム戦略」を打ち出した。その最重要項目の1つに掲げられているのが、オーガニック市場を拡大するとともに、耕地面積に占める有機農業取り組み面積の割合を25%、面積にして約100万haまで拡大しようという計画である。持続的な産業基盤の構築を通じて国民の豊かな食生活を確保するとともに、地域の雇用と所得の増大、そして将来に渡り安心して暮らせる地球環境の継承を狙う、まさにSDGsの最前線ともいうべきプロジェクトだ。
一百野氏率いるオーガニック・ランドはいまや、この動きを牽引する存在である。目下、大手農業資材メーカーと共同で、有機農業の普及に寄与する新たな商品を企画中とのこと。農家の後継者不足が叫ばれて久しいが、一方で若く意欲あふれる生産者も確実に増えつつある。情報に貪欲な新世代の生産者たちが同社の理念に共鳴し、有機農業に対する関心がいっそう高まっていくことは間違いない。消費者の間でも食=健康維持という意識が定着しつつある。100万haの広大な大地が人にも環境にも優しいオーガニック農作物で満たされるそのとき、一百野氏は、生産者と消費者を結びつけたキーパーソンとして、その功績を讃えられる存在となっているに違いない。
<INFORMATION>
代 表:一百野 昌世
所在地:福岡県那珂川市片縄西4-5-4
設 立:2000年6月
資本金:2,000万円
TEL:092-408-6841
URL:http://www.organic-land.net
<プロフィール>
一百野 昌世(いおの まさや)
同志社大文学部を卒業後リクルート入社。社員教育、リゾート開発、無農薬ゴルフ場の開発・管理を経験。1999年よりオーガニック検査員に登録し、2000年6月オーガニック・ランドを設立。代表取締役に就任する。06年よりNPO「日本オーガニック検査員協会」副理事長(現在離職)。農業コンサルタント。土壌医。施肥技術シニアマイスター。関連キーワード
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