2024年11月29日( 金 )

100年を超える「絆」と「技術」の伝承が 信用と実績という「カタチ」を生む

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中村工業(株) 代表取締役
中村 隆元 氏

大手ゼネコンにも一目置かれる専門建設業のプロ集団

中村工業(株) ​​​​​​​代表取締役 中村 隆元 氏
中村工業(株)
代表取締役 中村 隆元 氏

    土木や建築を支える仕事。それは、あらゆる人々の生活はもちろん、日本の経済をも支える重要な仕事である。そして、1世紀以上の長きにわたり、福岡の成長をたしかな技術で支えてきたのが中村工業(株)だ。1906年に「中村組」として誕生。腕一本で勝負するとび職人を数多く擁する、建設のプロフェッショナル集団として活躍していた。その後、時代の流れとともに建設業界で通用する知識を蓄え、大手ゼネコンとの信頼関係を築くことで業容を拡大。47年5月に法人化し、現商号となった。

 「福岡では48年に鹿島建設(株)さんが竣工した板付空軍基地(現・福岡空港)の建設工事や60年末に竣工した天神ビルを皮切りに、福岡銀行本店ビル、天神センタービル、電気ビルなど、天神一帯の再開発が進んでいきました。地元財界の働きかけもあり、(株)竹中工務店さんが天神に足場を築き、清水建設(株)さんは博多駅周辺の開発を手がけるようになりました。当社と竹中工務店さんとのお付き合いは、ここから始まりました」。2015年に代表取締役に就任した5代目・中村隆元氏は、同社の歩みを振り返りつつ、そう語る。

 いまや建設業全般を幅広くカバーする一流の専門建設企業として、大きな存在感を示す同社。近年は「九州大学伊都キャンパス」「福岡高等・地方・家庭・簡易裁判所庁舎」などの公共施設や、「MARK IS(マークイズ)福岡ももち」といった街のランドマークになるような建物を幅広く手がけ、売上高約80億円を計上するまでに成長している。

 

職人文化継承に必要なのは雇用の維持 目指すは200年企業

中村工業(株)    「現在の売上高内訳は、とび・土工工事が約40%、PC(プレキャスト)の納品が約25%、土木部門が約25%、残りの約10%がリニューアル工事です。今期は売上高100億円が見えています」と、笑顔を見せる中村氏。「ありがたいことに、福岡都市圏の再開発や半導体工場など、とび・土工、PC、土木のすべての部門で『中村工業にやってもらわなければ困る』というお声をいただいています」という言葉からは、同社が多くのゼネコンから全幅の信頼を寄せられていることがよくわかる。

 そんな同社の一番の強みは、やはり創業から100年以上にわたって伝承してきた「絆」と「技術」にこそあるだろう。リーマン・ショックの際は売上高が40%も落ち込んだが、それでも雇用は守りぬいた。また、毎年コンスタントに10人前後を採用してきたことで、慢性的な人材不足に悩む建設業界にあって相応の人材を確保できている。「他社では職人を抱えずにアウトソーシングする手法が主流ですが、我々はこれまで培ってきた技術・技能を未来に向けて伝承していくという覚悟のもと、職人さんたちを雇用するという選択肢をとっています」(中村氏)。中村工業はこれからも職人・技術者の「雇用第一」を貫きながら、200年企業を目指して日々実績と信頼を積み上げる。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:中村 隆元
所在地:福岡市中央区舞鶴3-2-6
設 立:1947年5月
資本金:6,000万円
TEL:092-751-9381
URL:https://nakamura-k.com


<プロフィール>
中村 隆元
(なかむら りゅうげん)
1975年1月生まれ、福岡県春日市出身。中村学園三陽高校、福岡建設専門学校卒。学生時代はラグビーに勤しむ。2015年に中村工業(株)の代表取締役に就任。趣味は水泳、マラソン、仲間との酒飲み。

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