事業拡大と組織強化の成長戦略 若手が主力になったとき、さらなる飛躍へ
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田代建設(株) 代表取締役社長 田代 洋己 氏
準備期間1年で社長に
1905年創業の田代建設(株)は、筑豊エリアでトップクラスの完工高を誇る地場ゼネコンだ。現代表の田代洋己氏は、先代・惠祐氏の子息で、2017年9月に代表取締役に就任した若き経営者。明治大学卒業と同時に準大手ゼネコンに入社し、主に管理畑で8年間を過ごした。その後、田代建設のグループ会社勤務を経て、同社への入社をはたす。社長就任時の心境について、田代氏はこう語る。「家業を継ぐことになろうとは、想像もしていませんでした。事業承継の準備期間も1年くらいだったでしょうか。前社長がある意味、退路を断ってくれたことで、私も覚悟が決まりました」。たしかに短時間での事業承継だったが、そこはさすが準大手ゼネコンの管理職経験者。先代が企業理念としていた「より良いものを、より安く」を受け継ぎながら、事業の持続とさらなる発展へ向けて、ただちにさまざまな改革に乗り出した。
組織を「ボトムアップ型」へ
真っ先に着手したのが、就業規則や給与規定の見直しから社員の意識改革に至る、社内制度・風土の刷新である。「社員たちは当時、『意見や提案をしてもどうせ却下される』『失敗や余計なことをすると怒られる』と仕事に対して受け身になり、とにかく社長に怒られないことを至上命令としているように感じました。ボトムアップの社風を浸透させることで、社員自らが考えて行動するようになれば」――田代社長はそうした願いを込めて、社員の自主性を重んじ、彼らの意見や提案を通じて社が一丸となれる体制をつくり上げた。
人材の育成と定着にも力を入れている。同社には29名(21年10月時点)の社員が在籍するが、うち13名は現社長が就任して以降の採用。「より深く現場に関わりたい」と、スーパーゼネコンから転職してくる人材もいるという。受注増加にともない、19年8月には福岡市に福岡事務所を開設。福岡エリアでの受注体制を強化したほか、設計施工にも注力している。かくして着実に積み上げられる実績は、同社が人材というものに重きを置き、社員1人ひとりの活躍とさらなる飛翔を促してきたことの証である。
8項目でSDGs宣言、未来へ向けて
21年2月、同社はSDGs宣言を行った。「地域のまちづくりと活性化への取り組み」として、施工からメンテナンスまでの一貫対応や不動産開発を通じたまちの活性化、「団結力・働きがいのある会社づくり」として、社員のスキルアップに向けた各種教育訓練の実施など、SDGs17項目中の8項目について、具体策を掲げている。「今の若手が成長したとき、彼らが主力になる時代が来ます。より強い組織となり、より大きな物件にも取り組むことができるようになるはず」。そう語る田代社長の言葉は、若くして事業を受け継いだ者ならではの、実感と説得力に満ち溢れている。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:田代 洋己
所在地:福岡県直方市下新入627-1
設 立:1963年10月
資本金:5,000万円
TEL:0949-22-4711
URL:https://www.e-tashiro.com
<プロフィール>
田代 洋己(たしろ ひろき)
1973年1月、福岡県直方市生まれ。明治大学を卒業後、準大手ゼネコンを経て2004年に田代建設(株)に入社。グループ会社への出向の後、15年7月に田代建設の取締役に就任。17年9月に代表取締役に就任した。関連キーワード
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