食品安全の国際規格を取得 ジャパンブランド鮮魚を海外へ
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(株)アキラ水産 代表取締役社長
上田 浩祐 氏九州の仲卸初のISO22000取得
福岡市中央卸売市場の鮮魚市場で取扱量トップを誇る総合仲卸、(株)アキラ水産。ジャパンブランド鮮魚の輸出販路を拡大するための体制構築にも取り組んでおり、2021年8月には農林水産省の「令和3年度海外フードバリューチェーン再構築緊急対策事業」として採択を受けた。輸出実績の豊富な豊洲市場仲卸の築地太田および日本通運と連携し、輸出プラットフォームの構築を図る。
海外市場で受け入れられるための、品質および食品安全管理体制も整えた。同社はもともとISO(国際標準化機構)認証の取得に積極的で、鮮魚仲卸としては全国初となるISO9001(品質管理)認証を2006年に取得していた。今年9月には九州の水産仲卸および福岡市中央卸売市場鮮魚市場で初となるISO22000(食品安全)認証を取得している。
早くから自社の加工専用工場を設置し、魚をさばいて卸す1次加工、2次加工から、パッキングの3次加工までを手がけてきたが、共働き家族や単身世帯の増加などのライフスタイルの変化や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巣ごもり商材加工品需要の高まりを背景に、より安全安心な生鮮魚介類・水産加工を顧客に提供したいという想いでISO22000を取得するに至った。
持続可能な水産業へ
2020年1月のホールディングス制への移行にともない、長年社長として同社を導いてきた安部泰宏氏が会長に、現場指揮を執ってきた副社長・上田浩祐氏が社長に就任した。上田社長は水産業を持続可能なものとすることに熱意を燃やし、「ピンチこそ最大のチャンスだと考えています。魚の料理教室を開くとたくさんの人がきてくれる。こうした活動を続けることで市場自体が拡大し、消費者も小売業者も豊かになれます」と語る。そして、「この仕事を始めるのに専門的な知識はいりません。夢を描いて業界の未来を変えていきたいという方、ぜひお待ちしています」と、将来の水産業を担いうる若者に呼びかける。
魚をさばくなどの加工作業において、最終的に頼りになるのが人材の力だ。国内では数年前からベトナム人技能実習生を受け入れている。今後の展望としては、ベトナムなど海外に加工拠点を設立、社員を派遣して加工技術を伝え、現地の魚食文化への貢献を図るとともに、現地で加工した水産物の1次加工品を日本に輸出し、より幅広い価格のラインナップをそろえたいとしている。
現場主義、顧客第一主義を貫く上田社長は、「コロナ禍と向き合うなかで、新たなビジネスチャンスが見えてきた」と述べつつ、アキラグループのDNAである「挑戦する姿勢」を鮮明にしている。水産業界の持続的な発展のために力を尽くす同社の活躍に、各方面から期待が寄せられている。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:上田 浩祐
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-711
設 立:1969年9月
資本金:4,850万円
TEL:092-711-6601
URL:https://www.akirasuisan.co.jp
<プロフィール>
上田 浩祐(うえだ こうすけ)
1964年3月1日福岡市生まれ。1986年6月にアキラ水産入社。2010年9月副社長、20年4月に社長就任。若手仲卸業者で組織する博多銀鱗会の初代会長として魚料理教室開催など魚食普及活動に力を注いできた。趣味はゴルフ。関連キーワード
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