BISが情報研究会を開催、「経済安全保障」など12演題
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日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS、中川十郎理事長)は11日、「30周年記念・第175回ビジネスインテリジェンス情報研究会」をオンラインで開催した。12のテーマについて、各分野で活躍中の専門家が講演した。
基調講演は元外務省国際情報局長、元イラン大使の孫崎亨氏による「世界経済の現状」。孫崎氏は「歴史の大転換期を迎えている。経済面では、購買力平価ベースを見ると中国が1位、2位が米国となった」と説明。技術力でも、5G特許保有宣言の数で中国企業が米国企業を抜き、研究論文の量・質も中国が米国を抜いたと報告した。
一方、日本の研究開発力は低下傾向にあり、「軍事への技術移転を防ぐといった経済安全保障の考え方が登場しているが、その結果、困るのは日本だ。日本が不利になることを政府は実施しようとしているが、時代錯誤である」と警鐘を鳴らした。
孫崎氏は、台湾を舞台に米中紛争が起きた場合、米国は中国に負けるという米国の研究機関のレポートを紹介。「日中間で有事が発生した際、米国に日本を助ける余裕はなく、そうした視点で考えていく必要がある」と提言した。
日本経済大学教授、日本コンペティティブ・インテリジェンス学会会長・高橋文行氏は「経済安全保障と企業の取り組み」をテーマに講演した。
高橋氏は、政府が経済安全保障推進法(仮称)の制定を目指していることに言及し、「米中対立が前提となる状況下で、企業には経済安全保障への対応が求められ、企業における戦略的情報活動の導入と強化が必要になる」と予想した。
【木村 祐作】
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