九州地銀(17行)の2021年9月期(中間)決算を検証する (1)
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【表1】の通り、九州地銀17行(含むFG・FH)の21年9月期(中間)決算が発表された。
昨年は西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)が11月6日(金)でトップだったが、今年は大分銀行が11月8日(月)でトップ。昨年よりも1日早く、12日(金)に全行の決算がでそろった。
昨年まで九州地銀は18行だったが、ふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀行が2020年10月1日付で合併し十八親和銀行が発足(継承銀行は親和銀行)したため、1行減って17行となった。【表2】は九州地銀17行((含むFG・FH)のトップの経歴表である。
~この表から見えるもの~
◆ふくおかFGの柴戸隆成社長は谷正明前社長の後任として就任。福岡銀行は歴代日銀出身者がトップだったが、50年ぶりにプロパーの谷氏が2005年4月に就任。柴戸氏はプロパー二代目。
◆今年のトップ異動は西日本フィナンシャルホールディングス(FH)だけだった。
・久保田勇夫西日本FH会長は留任。ただし、兼任する西日本シティ銀行の会長から取締役となった。
・谷川浩道西日本FH社長は同副会長。兼任する西日本シティ銀行の社長から同会長に就任。なお、久保田会長は福岡県立修猷館高校出身。谷川副会長も同校の後輩であり、ふくおかFGの柴戸隆成氏とは同期。
・谷川氏の後任として西日本FH社長兼西日本シティ銀行頭取に就任したのは同行取締役専務執行役員・村上英之氏。2004年に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して西日本シティ銀行が発足。旧大蔵省(現・財務省)出身の頭取が続いていたが、旧西日本銀行出身の村上氏が就任し、初の生え抜きとなった。
◆筑邦銀行は2020年1月17日、金融持株会社のSBIホールディングスと資本業務提携契約を締結。佐藤清一郎頭取は記者会見で、「今後も独自路線を継続するため提携したというのが我々の本心」と語っている。金融グループの傘下行となることや大手地銀と経営統合すると吸収合併されるとの思いから提携に踏み切ったものと推測される。
◆参考として北九州銀行を傘下に置く山口FGのトップの経歴を以下に記す。山口FGは今年6月25日に開催された株主総会後の臨時取締役会で、吉村猛山口FG会長兼CEO(最高経営責任者)を解任し取締役に降格。椋梨敬介社長グループCOOがCEOに就任。『実録 頭取交替』に続く第2回目のクーデターが発生したのだ。それが端的に読み取れるのは年齢である。
・表にはないが吉村氏は61歳。山口銀行の神田一成頭取は58歳。北九州銀行の嘉藤晃玉頭取は60歳。もみじ銀行の小田宏史頭取は60歳。傘下の頭取はすべて年下であり、コントロールしていたことが読み取れる。
・椋梨社長は51歳。傘下の頭取はすべて年上であり、彼らを「うまくコントロールできるかどうか」に今後がかかっている。もし失敗するようなことがあれば再びクーデターが発生する可能性もあり、微妙な立場にあるのがわかる。<まとめ>
西日本FHも今年6月、村上英之氏が西日本FH社長兼西日本シティ銀行頭取に就任している。久保田勇夫西日本FH会長(兼取締役)、谷川浩道西日本FH副会長(兼西日本シティ銀行会長)のもとで、山口FGの椋梨社長と同様、「いかその手腕を発揮できるか」が問われることになりそうだ。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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