顧客に真摯に向き合い 自社の「あるべき姿」を追い求める
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(株)クリスター 専務取締役 岩本 正光 氏
良い水を提供する「サービス業」掲げ
水道水をミネラルウォーターに変える水処理システム「ミネラルクリスター」で知られる(株)クリスター。創業者の故・岩本藤光氏(2018年5月逝去)は、「生命体にとって真に良い水」とはなにかを問い続け、たゆまぬ研究を通じて「ミネラル成分のバランス」にたどり着いた。その果実たる「ミネラルクリスター」は、いまや数多くのビルやマンション、食品加工工場などで導入され、人々の健康的なくらしと活動を支え続けている。
一般的に、ビルやマンションの給水システムは、いったん貯水槽に水を貯蔵しそれを各戸に配水するという仕組みになっている。だが、この方式では貯水槽の隅に水が滞留し、徐々に水質が悪化していってしまう。一方、同社の「ミネラルクリスター」は「雨水が良質な土壌でろ過される過程のなかで生み出される、十分なミネラル分を含んだ湧き水」を再現する。すなわち、自然界の地層と同じように複数の鉱石を積層化し、そこを透過した水を循環させることにより、良質な水を生成・供給する装置なのである。
「ミネラルクリスター」の製造・販売にとどまらず、水質保証のためのメンテナンスにも注力する「良い水を提供するサービス業」を掲げる同社。専務取締役の岩本正光氏は、「我々のビジネスは商品を販売したら『それで終わり』というものではありません。売上をあげたら新たな顧客の開拓へ、と考える向きもありますが、当社はメンテナンスなどを通じて顧客に真摯に向き合い、信頼を得て、売り手としての『あるべき姿』を愚直に追求していくことを何よりも重視しています」と語る。
長期的な視野にたった経営を
同社では10~20年という長期的な視野に基づいた経営分析を行っている。「単年度の売上が前年比何%増、何%減などと一喜一憂することはありません。たとえ直近2、3年の売上が低調だったとしても、長いスパンで見て成長していればいいのです」(岩本専務)。この姿勢は、社員に対するまなざしにもよく表れている。「一匹オオカミ的な働き方で瞬間風速的に売上を『バンバン』あげる社員よりも、収益を上げるために周囲と協力しながら行動できる人材をこそ評価しています」(同)。
浄水器メーカー、ミネラルウォーターや水素水の販売など、水を商材としたビジネスは多種多様だ。岩本専務は「我々は同業他社と競い合うつもりは毛頭ありません。あくまでも『良い水を提供したい』というスタンスを貫いた結果が収益につながっていけばいいと思っています」と語る。近年の健康志向の高まりは、人々の水に対する意識も急激に高めることになった。だが、同社はそうした時流に乗って目先の利益を追い求めることはせず、真摯に自社のビジネスモデルを貫いてきた。そうした姿勢こそ、同社が30年以上もの間、競争の激しいこの業界で存在感を示し続けることのできたゆえんであるだろう。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:岩本 初子
所在地:福岡市博多区博多駅前1-5-1 博多大博通ビルディング7F
設 立:1990年8月
資本金:3,000万円
TEL:092-451-8300
URL:https://www.crystar.jp
<プロフィール>
岩本 正光(いわもと まさみつ)
1973年生まれ。福岡市出身。九州大学大学院修了、経営修士(MBA)。県庁職員を経て現職。趣味はドラム、登山、バイク等法人名
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