2024年12月22日( 日 )

(株)総合電商が自己破産申請へ~負債総額11億2,600万円

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 高圧受電設備(キュービクル)の販売などを手がける(株)総合電商(東京都中央区、加藤普代表)は12月8日、事業を停止して事後処理を弁護士に一任し、破産手続申請の準備に入った。担当は井上玲子弁護士(大空法律事務所、東京都港区赤坂3-4-3、電話:03-5797-7510)ほか2名。負債総額は2021年5月期末時点で約11億2,600万円が見込まれる。

総合電商の本社事務所が入居するビル(11月9日撮影)
総合電商の本社事務所が入居するビル
(11月9日撮影)

    同社は2005年6月に北海道帯広市で設立された電気設備販売業者。創業者・中保人氏の前職の経験を生かし、キュービクルの販売およびメンテナンスを手がけるほか、同設備を利用した電力販売事業も実施。業容拡大の過程で12年7月には東京に本社を移転するほか、全国に営業拠点を構えて受注を伸ばした。主力としていたキュービクルのアウトソーシング事業では、同設備を同社が買い取ることで維持・管理コストを負担する代わりに、電力契約を同社提携先の新電力に切り替える仕組みで、高圧から低圧に変電することで生じる電気料金の価格差や電力販売などを組み合わせたビジネスモデルで収益を得ていた。また、キュービクル等の改修工事やLED照明の販売・施工なども手がけ、21年5月期には過去最高となる売上高59億1,194万円を計上していた。

 しかし、16年の電力自由化後の新電力市場の競争が激化。また、キュービクルの買い取り費用など多額先行投資が負担となっていたことに加え、キュービクルオーナーへの賃料支払いが増加していた。こうしたなかでコロナ禍の影響に加え、前代表の体調不良も重なり営業活動が苦戦。経営陣による今後の方向性をめぐる対立もあり、事業継続を断念し、今回の措置となった。

 なお現在、同社の本社事務所玄関には、部外者の立ち入りを禁じる張り紙が貼られている。

本社事務所玄関の張り紙
本社事務所玄関の張り紙

代 表:加藤 普
所在地:東京都中央区日本橋茅場町1-13-21
設 立:2005年6月
資本金:2,500万円
売上高:(21/5)59億1,194万円 

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