【IR福岡誘致開発特別連載68】IR長崎は年明け崩壊~知事選前、最後の“アガキ”
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地元新聞社は19日、IR長崎についてのネガティブな記事を初めて掲載した。それによると開会中の県議会において、本件総事業費の3,500億円を「誰が、どのように負担するのか?」についての質問が相次いだが、県行政は「現在交渉中であり、機微に関わる問題だ」として明言せず、それにより疑念が生じているとしている。
これはまさに「決まっていないものは出せと言われても出せません」と言っているのと同じだ。また、今さらながらの県議会議員のこのような質問は、自己の責任を回避するために行っているもので、行政への責任転嫁のパフォーマンスに過ぎない。両者とも誠に愚かである。
これらは、近年この国が抱えた「根っこは同じ」の「ガバナンス症候群」「コンプライアンス症候群」の一例である。全国の組織における各個人の責任回避の姿勢を象徴している。
IR長崎の崩壊寸前状態をつくり出した責任は、県行政だけにあるのではなく、長崎県知事と佐世保市長をトップとした行政機関と各々の議会関係者にもある。知事も市長も行政機関のトップではあるが政治家でもあるのだ!
前回は「振り上げた拳を下ろせない」として、遠慮した解説をした。しかし、この状態は、来年早々の長崎県知事選挙(2022年2月3日告示、同2月20日投開票)における自身(中村法道知事)の再選まで、何とか結論を引き伸ばし、自身の本件IRの誘致失敗を隠しておきたいという思惑が透けて見えるのである。さらに、これに忖度している県議会議員も同罪である!
自己の責任を回避するのが優先で、県民、市民からの「税金の無駄遣い」といった声などに配慮するはずもない。
重ねて、説明するが、過去に3度の閉鎖危機を経験しているハウステンボスがカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパンになれば、年間840万人を集客できる(ちなみに過去最高の集客数は年間300万人)とする非現実的な計画に巨額な投資をする金融機関もメジャー企業も一切ないのである。「絵に描いた餅」を食べる投資家などいるはずがない!
創業時のテーマである「オランダの街並み」が同じヨーロッパのオーストリアに変わり、カジノ施設を併設したとしても集客力が2.5倍超になることはなく、「夢のまた夢」。最初から相当無茶な誘致計画なのである。
以前から言っているように、可能な限り、速やかに政治決断し「本件誘致開発計画は、資金が集まらず、間違いだった」と公表すべきである。知事再選が目的と見られてしまえば、さらに墓穴を掘ることになる!
IR長崎の各関係者は、コロナ禍が落ち着いてから話が出てくるであろう「IR福岡誘致開発」に全面協力すべきだ。これが九州全域にとって、最も有効な経済対策になるのは間違いないと筆者は考える。
【青木 義彦】
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