福岡から最先端の国際教育を生み出す アフターコロナから再スタートを誓う(中)
(一社)福岡県中小企業経営者協会連合会
会長 小林専司 氏
(一社)福岡県中小企業経営者協会連合会は、福岡・北九州・筑後・筑豊の4つの中小企業経営者協会(以下、中経協)をまとめる団体だ。4つの中経協とその会員企業を総括する団体として国・県と連携し、会員企業と地域社会の活性化への貢献を目的とする。福岡の将来的な発展を念頭に、国際教育などを精力的に行う小林専司会長に話を聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役社長 児玉直)
地域特性を重視し、福岡の団体として歩む

会長 小林専司 氏
──これまでの取り組みはどのようなものだったのでしょうか。
小林 この取り組みははっきりいえば、ボランティアの一環です。多くの経営者が賛同し、協力していただき、福岡の未来をより明るいものにしていこうと頑張ってきました。我々は経営者として、それぞれの会社でそれなりの実績を残してきたかもしれません。しかし、このような取り組みに関しては素人からのスタートでした。自社や自分の利益にはまったくつながらないので、ひたすら「お願い」を続けて、継続してきました。
だからこそ、運営側はそれぞれ謙虚に貢献心を強く持って行う必要がありました。実績を残してきた経営者は、自信や誇りをもっておられます。もちろん、それは大切であり重要なことです。しかし、ボランティアともいえる事業を経営者が集まって行う場合、何よりも協調性が重要で、あくまでも子どもたちや未来の福岡のために頑張っていくという目的を忘れないようにしなければなりません。その目的の前では、年商1億円の企業と年商1,000億円の企業の経営者は同じ立場で協力していかなければなりません。
──確かに多くの団体が同様の取り組みをしており、過程はさまざまですね。とくに大都市圏にある団体は積極的に活動していると見受けられます。中経協では、東京や大阪などの大都市にある団体と一緒にやろうとは思わなかったのでしょうか。
小林 もちろん、ある程度の協力があったり、情報交換などがあったりしてもよいと考えています。それは目的の遂行にメリットがあるからこそですね。でも、その団体に与したり、運営を任せたりするようなことはしてはならないという考えです。
それは「井戸水と水道水の違い」のような考え方です。水道水はどの地区でも同じ味や品質ですが、井戸水はその地域によって違います。経済や文化、そこで育まれる子どもたちも地域によって違いますし、当然教育や気質も違います。
▼おすすめ記事
オンラインに切り替わる採用・研修現場 企業は今後も実習生受け入れを希望(前)
以前の青年会議所でも同様のことがありました。戦後、東京で青年会議所が生まれ広がっていたときに、地方でもやろうという声が上がっていました。当初は東京の支店をつくろうという方針でした。しかし、それでは意味がないし、地域によってやり方が違うということで、あくまで別の組織として活動することになっています。私はとてもすばらしいことだと思っています。
また、1つの大きな団体に属して活動をしていると、どうしても甘えてしまう部分があります。“水道水”ではなく、“井戸水”の場合は違いますよね。井戸水は自分たちで掘って生まなければならない、品質や安全性を管理しなければならない、自立してこそ目的を達成できると考えています。
(つづく)
【文・構成:麓由哉】
<COMPANY INFORMATION>
会 長:小林専司
所在地:福岡市中央区天神1-4-2
設 立:2015年10月
TEL:092-753-8877
URL:http://www.chukeikyo.com
<PROFILE>
小林専司(こばやし・せんじ)
2005年10月福岡ロジテム(株)を設立、代表取締役社長就任。会社経営とともに、ボランティア活動にも精力的に参加。福岡県中小企業経営者協会連合会会長を務め、福岡経済を代表する経営者の一人として活躍している。