2024年12月22日( 日 )

【訃報】三和酒類相談役・西太一郎氏が死去~イメージ戦略に注力、「いいちこ」を全国区に

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 三和酒類(株)(大分県宇佐市)相談役・西太一郎氏が19日に亡くなった。83歳だった。西氏は1960年に同社に入社し、89年に社長に就任。会長、名誉会長を歴任し、2018年から相談役を務めていた。

 西氏は「下町のナポレオン」の愛称で知られる麦焼酎「いいちこ」を全国区に押し上げた立役者。「いいちこ」は同社の本社がある大分・宇佐地域の方言で、「良いもの」を意味する。

 「かつて焼酎のイメージは悪かった。なぜかというと戦後に密造酒が流通し、焼酎もその1つとして見られていたから」と語っていた西氏。焼酎のイメージ向上のための戦略として、83年にアートディレクターの河北秀也氏にプロモーションを依頼し、現在の商品ロゴがつくられた。CMの企画・演出・編集、ナレーションも河北氏によるもので、CMソングは河北氏の友人であるビリー・バンバンの楽曲を使用。

 こうした独自のイメージ戦略も功を奏し、86年に売上高150億円を突破。04年には売上高580億円を超えるなど、「いいちこ」が焼酎ブームのけん引役を担った。

【新貝 竜也】

関連キーワード

関連記事