【現役社員座談会】山口FGは「パワハラしないと出世できない」銀行(2)
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NET IB-Newsなどで既報の山口フィナンシャルグループ(FG)の実態。長年に渡る吉村猛前会長による専横的な経営によって、ガバナンスが機能不全に陥っていることなどを報じてきた。そのためデータ・マックスには山口FGの内部情報が続々と寄せられている。今回は寄せられてきた内部情報を基に独自ルートで取材を敢行、現在の山口FG社内の様子などについて、3人の関係者に鼎談形式で語ってもらった。
(鼎談出席者)
A:退職者
B:現役社員(課長代理)
C:現役社員(係長)吉村猛・前会長の愛人問題
──吉村氏の愛人問題は、まさに公私混同の象徴でした。
A:愛人とされた女性は、閑職に追いやられていると書かれていますね。
B:閑職とは、経営管理部付という謎のポストです。それまでも東京の会社への出向で、下関からは隔離されていました。
C:NetIB-Newsが本部に突撃取材をしたりするからですかね。
B:出向していたのは、あの突撃インタビューの少し前くらいからでした。
A:社長が愛人の部署に毎日のように遊びに来ると書いてあって、そんなことはあり得ないだろうと思っていましたが、実際はどうだったのですか。
C:(子会社の)(株)データ・キュービックのことだと思います。たしかに毎日のように、顔を出していたようですね。中小企業でもそんなことはないだろうに…。上場している金融機関での出来事です(笑)。
B:データ・キュービックでは、誰も逆らうことができず、社長すら顔色をうかがっていたと聞きます。この女性と吉村氏に気を遣って、社員は大変だったようです。
C:2人とも企画というより思い付きだけです。実現性なんて考えません。
B:その思い付きを、すばらしい案だと信じているから大変でした。(笑)
A:「B」評価で、社長が左遷されたという話まで書いてありました。「B」だったら普通は嬉しいはずなのに。
C:標準の「C」ですら難しくなってしまったので、「B」なんて夢のまた夢です。(笑)
B:頑張っても「D」という評価になることもあり、かなり異常な状態です。
A:女性は副調査役なのに、部長に就いていたことも書かれてありましたね。
B:実際は係長のときにデータ・キュービックの担当部長になっています。何かで実績を上げたわけではないのに異常な人事です。
C:ライン部長ではなく、担当部長なのは吉村氏の良心なのでしょうか。
B:それはないと思います(笑)。
A:愛人とされた女性は、データ・キュービックでは、どんな仕事をしていたのですか。
B:「ここいろ」という地域情報サイトをつくって、遊んでいただけと聞いております。
C:今、そのサイトを見ていますが、「編集長のやってみた!」というコーナーがありました。釣りやシーカヤックをやっていて楽しそうですよ。
A:たしかに、これで仕事をやっているといわれると、他の社員・行員は会社のために働くことがバカらしくなるでしょうね。このコーナー、残しておいていいのかな。
B:もうすぐ削除されると思うので、興味のある方はお早めにご覧いただきたいです。(笑)
A:ほかにもいろいろな企画を出しては、失敗したという話でした。
B:5、6年前につくったのが、山口銀行FP事業部。女性ファイナンシャル・プランナーによるコンサルティングという企画をつくって、仲の良い若手女性行員を集めて好き勝手に振る舞っていました。パナソニックの高価なパソコンを購入したりしていたようですね。紆余曲折があって、今のYMLP(ワイエムライフプランニング)につながっているのです。
C:パソコンは、パナソニックのレッツノートなのでしょう。うらやましいですね。(笑)
A:FP事業部は、できてすぐになくなった気がします。
B:女性が飽きて、他の部門に行ってしまったからではないでしょうか。
A:YMLPとはどんな会社なのですか。実はよく知りません。
C:記事にも書いてありましたが、社員・行員でも実情を知らない人は多いです。調査報告書で詳しく取り上げられていて、こんなことが起きていたのかと驚いている人もいました。
B:記事に書かれていたことは、概ね聞いている話と一致します。「社長や役員はすぐに交代する。経験不足の若手社員も多い」と。そのような環境のなかで、中間の役席が頑張って支えていると聞いています。
C:山口FG全体でも退職者は多いのですが、YMLPでは優秀な社員が退職していると書かれていましたね。
B:そんなに優秀だったとは思いません。適応できずに辞めていっただけではないでしょうか。
A:ほかの銀行に転職とも書かれていましたが…。
B:待遇面で、山口FGよりすばらしいところに転職したわけではなさそうですよ。
C:第一生命とのつながりも書かれていました。ネオファースト生命(第一生命子会社)の商品を積極的に販売していると。第一生命の話は、とっくに昔の話だと思っていました。若手ではそんなことがあったことすら知らない社員・行員も多いです。
B:そこは辞めた社員が、ネオファースト生命と取引開始の交渉をやっていたので、今となっては、真相がわからないと聞いております。なぜ取り扱うことになったのかの経緯も不思議です。何らかの裏取引があったのかもしれませんね。
A:調査報告書や記事に記載されている話は、数年前のことのようにも思いますが、今はどうなのですか。
B:パワハラ揉み消しの話がありましたが、ノルマの強要によるパワハラは、その後の方が酷かったようです。今も業績は伸びずに迷走しています。保険販売は伸びておらず、成績不振で、代理店契約を切る保険会社も出てきているのが現状です。新規事業を始めては失敗の繰り返しです。
C:企業オーナー向けのサービスを始めたと記憶しています。
B:「SANBO」のことでしょう。銀行・証券会社の支店長経験者が、企業オーナーの相談役になるというのがコンセプトです。
A:銀行や証券会社の支店長経験者が、そんなに優秀で頼れるとは思えませんが。
C:税理士等のセカンドオピニオンと書いていますが、ニーズやマーケットがあるとは思えません。
A:銀行員に節税の相談をしたら、保険を買わされそうで。銀行にいたときは、「節税=保険」と教えられました。
C:そもそも、支店長に税理士並みの税務知識があるわけではないですからね。
A:必要なスキルが違います。組織管理(支店長)と専門職(税理士)なわけだから。
B:ちなみに、「SANBO」を企画した人たちは誰もいなくなったそうです。これとは別に、新しいサービスを始めたそうですが、散々のようです。
C:すべて思い付きでやっているように感じます。本気でやろうと考えていないのでしょう。
(つづく)
【特別取材班】
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