最先端を走る企業、今の時代に欠かせない「挑戦」の秘訣(後)
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(株)APIコンサルタンツ 松本 洋 氏
「価値観の転換期」ともいわれる今の時代。次世代の「常識」を生み出すのは、先の一手を見据えた大きな挑戦である。価格破壊により「光ブロードバンド」を普及させてIT革命の夜明けを先導し、企業マネジメントのコンサルタントやM&Aを手がけてきた(株)APIコンサルタンツ代表取締役・松本洋氏に、これまでの挑戦の軌跡と、これからの経営でどのような挑戦が必要かを聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス代表取締役・児玉直)企業再建のカギとは
──企業再生や事業の発展にどのようなことが必要だと考えていますか。
松本洋氏 米国鉄鋼大手企業を再生し、「光ブロードバンド」によるIT革命、Eコマースなどを先導するベンチャー企業を創業した経験を生かして、その後、米・企業再建コンサルティング会社のアリックス・パートナーズの日本代表に05年に就任し、(株)ライブドア(現・(株)LDH)、日本航空(株)などの再建を手がけました。
問題解決の答えは現場にあると考えており、企業の再生では、計画を立てるだけではなく、現場に入り込んでマネジメントにも携わります。企業再建を行うなかでは、企業は今までのやり方に固執しすぎず、時代の変化に目を向けて、新しい流れをつかんで判断することが不可欠だと実感してきました。企業が「転機」を乗り切れるようにサポートすることが、コンサルティングのあり方だと考えています。
07年には、米国投資会社アドベント・インターナショナルの本社のマネジングパートナー兼日本代表となり、約600億円の資金を調達し、時価総額50~500億円規模の中小企業に投資して毎年約20%のリターンを出しました。日本には優れた技術があっても海外市場の需要性に気づいておらず、世界展開していない「ガラパゴス企業」が多く、もったいないと感じています。企業投資においては、海外から日本がどう見えるかを視野に入れて、現役の経営陣と議論しながらビジネスプランを導き出すことが大切です。
一方、投資先として見込んだ潜在力のある企業は、官民ファンドが相場の1.5倍ともいえる高値で早々と買い取ってしまうことが課題でした。官民ファンドは予算を使うことが「目的」になりがちですが、5~7年後にリターンが出ているかを正確に見極めることが必要です。税金を有効に使うためにも、官を離れて民に移さなければ、企業ファンドはほぼ収益を出せないのではないでしょうか。
次の時代の「常識」を生み出す挑戦をするためには、経営者はいつも新しいことに興味をもち、解決策や次の一手を自分たちで考えて実行できる仕組みをつくることが欠かせません。
(了)
【文・構成/石井 ゆかり】
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:松本 洋
所在地:東京都港区白金台5-22-12
設 立:2011年8月
資本金:4,000万円
TEL:03-6277-3730
URL:https://www.api-c.co.jp
<プロフィール>
松本 洋(まつもと ひろし)
1951年生まれ。APIコンサルタンツ(株)代表取締役社長。東京大学法学部卒業。米国コロンビア大学MBAおよび法学修士取得。日本鋼管(現・JFEスチール)の米子会社ナショナル・スチールを上席副社長(COO)として再建し、通信革命を起こしたKVHテレコムや間接材コストの削減をEコマースで手がけるアルファーパーチェスを創業、代表取締役を歴任。米・企業再建コンサルのアリックス・パートナーズ日本代表や米国の6兆円ファンドであるアドベント・インターナショナルの日本代表に就任。主な著書に『なぜ、誰もあなたの思い通りに動いてくれないのか』(ダイヤモンド社)、『他責病にサヨナラ』(エムオン・エンタテインメント)。関連記事
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