【糸島市】波多江貴士市議3期目へ 市民目線で議会再構築
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混戦模様となった1月30日投開票の糸島市議会議員選挙。同選挙で見事当選をはたし、3期目を決めた波多江貴士氏(以下、波多江)。今回、同氏に選挙戦を通じて感じたこと、これから挑戦していきたいことについて話を聞いた。
コロナ禍の選挙戦、感じた変化
──まずは今回の選挙戦を振り返っての、率直な感想をお聞かせください。
波多江 コロナ禍で集会の開催や、人数をそろえての選挙運動ができず、非常に難しい選挙戦だったというのが率直な感想です。また、人や地域とのつながりがいかに重要であるかを改めて感じると同時に、地域の代表として議会に声を届ける議員の役割が、理解されにくくなっていると感じた選挙戦でもありました。
地域の代表者を議員として議会に送り出すことで、地域の生活利便性の向上を図る。そのため、従来の選挙戦というのは、少なからず地域戦の側面をもっていました。しかし、糸島市では新住民の方も増え、その結果として、地域戦の側面が和らいだと考えています。また、投票率の低下という現実からは、住んではいるけど地域の一員としての帰属意識をもたない層が、一定数いることがうかがえます。
そうした層にも住んでいる場所にもっと関心をもってもらえるように、今後ますます地域活動が大事になってくると思います。役割を与えられるのではなく、地域のことを自分事として捉え、自ら役割を生み出していくことが議員には必要なのではないでしょうか。
──コロナ禍ということもあり、思うように活動できない現状があります。
波多江 表だって活動できない分、SNSなどを通じた情報発信に注力することもあります。対外的な情報発信はもちろん大切ですが、必ずしも支持に結びつくものではありません。実際に活動している姿やその結果がどれだけ目に見えてわかるのか、大事なのはそこだと思います。
そういう意味で、前回の選挙で初当選をはたした新人議員の方は私以上に難しい選挙戦を強いられたといえます。任期4年のうち約2年間はコロナ禍でしたから、否応なく不利な状況下で地域との関係性を構築しなければならなくなりました。コロナ禍の収束が見通せないなか、どうやって地域との関係性の希薄化を防ぐのか。引き続き考えていかなければならない課題だと思います。
市民目線で議会の存在感向上を
──3期目への挑戦が始まります。力を入れていきたいことについてお聞かせください。
波多江 議会にはチェック機能が求められていますが、糸島市議会はその機能を果たせているだろうかと自問し続けています。また、市の課題を抽出、調査し、議案として提出する。この一連の流れにも、まだまだ精度が足りていない部分が多いのではないかと考えています。
議会はもちろん、各委員会、分科会内でもっと積極的に議論が巻き起こって良いですし、そうなるべきだと思っています。たとえば、予算・決算委員会では常任委員会ごとの分科会で議案について審査し、最終的にその是非を判断するのですが、所属していない委員会についても傍聴は可能です。各分科会で質疑がされなかったものは、他の分科会の議員も最終質疑として質疑をすることが可能となります。しかし、他の分科会の傍聴をする議員は少数なのが現状です。
これは私も含め、各議員の能力というよりは議会に臨む意識の問題だと考えています。最終質疑においても、意見がもっと活発に出るような、そんな議会を形成してきたいというのが、今の私の思いです。
市民目線で考え、自ら行動する糸島市議会の実現に向けて、尽力してまいります。
<プロフィール>
波多江 貴士(はたえ・たかし)
1975年5月生まれ。2男3女の父。21年1月、糸島市議会議員選挙で当選し、3期目に臨む。【代 源太朗】
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