与えられた場所で一生懸命 住み続けられるまちづくり
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武雄市議会議長 山口 昌宏 氏
移住先として注目集まるなか
武雄市民病院や武雄市図書館など、全国に先駆けて民間活用の行政改革を推進してきた武雄市。教育・医療サービスも充実、子育てしやすいとの評価も高く、近年は移住先としても全国的に注目を集めてきた。そんな武雄市で7期25年にわたり市議会議員を務め、市民生活の向上に取り組み続けているのが、現・同市議会議長の山口昌宏氏である。
21年8月、武雄市は7日間にもおよぶ記録的長雨に見舞われ、住宅浸水や道路の冠水が相次いだ。総雨量が1,300ミリにも達する激しい降雨で水路や下水道などによる排水が追い付かず、雨水が地表にあふれて深刻な水害が発生。広域にわたって水没した住宅地の映像が全国を駆け巡り、人々に衝撃を与えたことは記憶に新しい。
武雄市周辺はもともと土地の傾斜が緩やかで水はけが悪いため、住宅地には溜まった雨水を六角川に排水するポンプが設置されている。ところが、21年の豪雨の際は、排水を続けると水位が上がり堤防の決壊につながる危険があったことからポンプ排水を停止していた。そこへ、近くを流れる六角川の一部が氾濫。浸水は六角川沿いの水田を中心に住宅地などおよそ4km2に広がり、ひどいところでは深さ3mにも達する大水害に発展したのである。
武雄市や近隣自治体では19年にも冠水被害が起きている。山口氏は「19年の水害からの復旧が終わらないなかでの被災だった。抜本的な対策が必要なのは明らか」とし、自然災害の頻発を見据えた居住地の強靭化を模索している。
西九州のハブ都市を目指して
移住先として全国的に注目を集めていた矢先の水害に、それこそ「水を差された」武雄市だが、22年秋に「西九州新幹線」の開業を控えている。九州新幹線西九州ルート(福岡市〜長崎市間)のうち、これまで整備が進められてきた武雄温泉〜長崎間のことで、全長約66km・フル規格の本格的な新幹線だ。
この西九州新幹線の開業によって、武雄市が西九州エリアの中核都市としていっそう存在感を高めることは間違いない。武雄温泉駅で博多〜武雄温泉間を運行する在来線特急列車と同じホームでの乗り換えが行われ、西九州地区と福岡、さらには中国地区・関西地区との交流拡大が期待されるからである。こうした展望のもと、武雄市では、地域の生活利便性の向上、魅力ある観光ルートの新たな構築など、生活と観光の両面で同新幹線の開業効果を高めるためのさまざまな取り組みが進められている。
鉄道や高速道路など陸上交通網の結節点であり、複数の空港からも近距離に位置する同市は、これまでもあらゆる方面から人やモノが交流する西九州の拠点都市としての発展を目指してきた。「脈々と受け継がれてきたこの武雄の地を次世代につないでいくためにも、与えられた場所で一生懸命に取り組みたい」。山口氏はそう語りつつ、市民とともに住み続けられるまちづくりに尽力していく決意を示す。
<INFORMATION>
武雄市議会事務局
所在地:佐賀県武雄市武雄町大字昭和12-10
TEL:0954-23-9411
URL:http://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai
<プロフィール>
山口 昌宏(やまぐち まさひろ)
1946年6月19日生まれ。武雄市東川登町出身。自由民主党所属。2018年に7期目の当選を果たし、武雄市議会議長に就任した。関連キーワード
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