自動車部品マレリ、負債1兆円で私的整理へ
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自動車部品大手のマレリホールディングス(さいたま市、以下、マレリ)は1日、経営再建を目指し、私的整理の一種である「事業再生ADR」(裁判外紛争解決手続)を申請する。負債総額は約1兆1,000億円とみられる。
事業再生ADRの成立には債権者全員が事業再生計画案に合意することが条件とされており、同社の取引先金融機関は主力のみずほ銀行など20数行。マレリは取引行と債務の一部減免を協議することになるが、取引行の数が多く、かつ外資系を含むことから全員の合意を得るのは容易ではなさそうだ。
事業再生ADR制度は、過剰債務に悩む企業の問題を解決するために創設された。制度開始の2008年11月から20年3月までに81件(253社)の申請実績があり、このうち55件(210社)で債権者全員の事業再生計画案に対する合意が得られている(経済産業省)。
マレリの前身はカルソニックカンセイで、もともとは日産の系列メーカー。17年に米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入り、19年にマニエッティ・マレリ(イタリア)が経営統合して誕生した。しかし、20年から新型コロナウイルスの感染が拡大、サプライチェーン混乱による部品調達の遅れや半導体不足などの影響を受け、工場の稼働率が低下するなど、統合の効果が表れる前に業績が悪化していた。
20年時点でグループ全体の従業員は5万8,000人、連結売上高は約1兆2,660億円。
【茅野 雅弘】
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