【深層検証・山口FG(3)】山口FGの関係会社清算(前)
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なんとも呆れた企業である。
「記事にするなら取材を」と言い、それではと取材を申し込めば取材を拒否する。仕方なしに取材なしで記事を書けば「取材を受けていない、事前に確認をしろ、名誉棄損だ、訴えてやる」と騒ぎだす。
文書を出せというから文書を出せば、まともに回答することもできない。
(NetIB-News 2022年4月4日記事「山口FGの組織改編および人事異動について」)
告発文や怪文書の類に意見を求められれば、まずは真偽を聞かれているのだということは容易に察しが付くことだろう。メディアとのコミュケーション能力が不足しているか、傲岸不遜な態度かのどちらかとしか思えないのだが・・・。そんな銀行グループが日本を代表する企業が集まる東証プライム市場に上場しているというのだから恐れ入る。
そんな山口フィナンシャルグループが「観光振興促進に向けた態勢整備に関するお知らせ」(PDF)というニュースリリースを発出した。
ワイエムツーリズムはNetIB-Newsが【検証・山口FG「調査報告書」(6)】でも取り上げた企業である。
山口FG自らが作成した調査報告書では損失額は大きくないと抗弁している。そう主張しておきながら清算するというのだから、ステークホルダーに対して不誠実極まりない態度であり、調査報告書の信頼性を大きく損ねるものだ。やはり損失額は小さくなかったと考える方が自然ではないだろうか。
さらに、ベンチャーキャピタルである山口キャピタルを子会社化し、投資先である地域商社やまぐち、バンカーズファーム、KAIKAが子会社となることも公表されている。関係者によると、この一連の動きは吉村猛・前会長の意向でつくられた関係会社の整理を始めたということのようだ。銀行員が農業をやるということで大きな話題となったバンカーズファームはすぐに清算するわけにもいかず、まずはワイエムツーリズムということのようである。
ある経済誌記者はこう語る。
「問題のある子会社は多いのですが、銀行員が農業をやるということで話題になり、金融庁も高く評価していたバンカーズファームは事業として成り立たない状況のようです。セミナーなどで銀行員が農業をやる理由を得意気に語ったりしているのですが、あまり説得力がなくて。銀行員でなく商社マンやエンジニアでも変わらないようなことばかりですし、もっというと“サラリーマン”と“銀行員”を置き換えるだけで同じことがいえる内容ですね。銀行員ということに特別意識があるとしか思えないのですよ」よほどの革新的な技術があれば別だが、農業というものは長年の経験と勘が必要なものだ。素人が始めてすぐに成果を出せるほど甘いものではないだろう。そのような事業を舐めているとしか思えない銀行が融資先の審査などできるのだろうか。プロの事業者に対して失礼な態度のようにしか思えないのだが・・・。
(つづく)
【特別取材班】
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