年間50棟のこだわりと思いやり お客様第一、やえすの家づくり(前)
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九州八重洲(株) 代表取締役社長
中島 久雄 氏西部ガスグループの一員として、量より質の家づくりに取り組む九州八重洲(株)。“ふれあいのまちづくり・住まいづくり”を通して福岡、そしてアジアの発展に貢献することをミッションに掲げる同社の今後について、代表取締役社長・中島久雄氏に話をうかがった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役社長 児玉 直)西部ガスグループの一翼を担う
──代表取締役社長就任、おめでとうございます。
中島久雄氏(以下、中島) ありがとうございます。九州八重洲興業の時代からお世話になってきた会社の代表を任されることになり、身が引き締まる思いです。ご支援いただいた皆さんの期待に応えられるように、また、西部ガスグループの一員として福岡のまちづくりに貢献できるように、より一層尽力してまいります。
──中島代表の実績が評価されての抜擢だったと思います。西部ガスグループのなかでも注目される存在ですが、今後も基本方針は変わらず、年間50棟を軸に事業を展開されるのでしょうか。
中島 はい。新築戸建事業は年間着工棟数50棟までに定めています。当社ではお引き渡し後のアフターサービスも重視しており、60分以内にお客様宅に行けるように建築エリアを限定しています。こうしたお客様第一の姿勢から「都心の戸建に住まう」などの商標登録した企画や、グッドデザイン賞を受賞した物件が誕生しました。
お客様第一の姿勢と高品質の住まいの提供を続けていくためにも、50棟限定の住まいづくりにこれからもこだわっていきます。
──売上構成や宅地の仕入れ規模についてお聞かせください。
中島 売上構成は新築戸建事業が約20億円、リフォーム・リノベーション事業・賃貸事業が約3億円、完成宅地販売事業が約7億円、海外不動産事業が約10億円の約40億円です。
宅地は年間100区画の仕入れを行っており、自社用に50区画、ハウスメーカー用に30~50区画を提供しています。土地を探しているハウスメーカーは多いので、当社の完成宅地を購入してもらうことをきっかけとして、販売提携というかたちで期間を定め、一緒に分譲地を販売するなど、協力関係の構築にも取り組んでいます。
──地場密着で住まいを提供し続けてきた貴社の強みが生きています。
中島 土地を仕入れ、ハウスメーカー向けに完成宅地として販売する。豊富な土地情報と造成能力を基に、このスキームが確立されている点は、西部ガスが当社に期待している点でもありましたので、グループとしてより一層相乗効果を発揮していければと考えています。
──現在、福岡では土地情報を得るのが非常に困難になっています。貴社でもそう感じることは増えましたか。
中島 以前よりも土地の取得が難しくなったと感じます。県外企業の進出にともなう競争激化の影響も一因だと思います。当社としては自社ブランド「JOYNUS(ジョイナス)」を筆頭に、JR、福岡市地下鉄、西鉄沿線エリアで、駅から徒歩7分程度の場所、あるいは福岡市近郊エリアに特化しています。
私のマンション用地の仕入れ・企画開発・販売経験を生かして、マンションと戸建、両方の良いところを組み合わせた、これまでにない住まいの提供にも挑戦していきたいと考えていますので、土地情報を継続的に得られるように今後も幅広く交流をもっていきたいと思います。
コロナ禍を契機に効率的な組織へ
──現在、何人体制で営業にあたっているのでしょうか。
中島 会社全体で36人、営業チームは現在営業スタッフ5人、事務員1人の6人体制です。平均年齢は36歳で若い力も根付いています。ピーク時には13人の営業スタッフがいましたが、コロナ禍で少人数でも対応できるようになったことが大きいです。たとえば、コロナ以前はモデルハウスに不定期に訪れるお客さまを複数人が待っているという状態でしたが、コロナ禍で事前予約をいただくようになり、余分な待機時間がなくなりました。対応にあたる営業スタッフも最低限で済むようになり、結果として、歩留まり率はプラス10%台から30%台に向上しました。
──モデルハウスへの来場予約のきっかけは、ホームページからの流入ですか。
中島 ホームページとSUUMO(スーモ)が大半です。当社としても掲載内容の充実を図ってきましたので、成果は出ているなと感じます。また、西部ガスグループという安心感もお客さまにとっては大きいようです。
情報ツールが多岐に渡るなか、お客さまも非常に勉強されていますので、お客さまの最終候補の物件として残れるように、魅力の伝え方がますます重要になっています。何とか最終候補に残り、現地へ足を運んでいただく際に、営業スタッフの力が試されます。
──マンション開発が盛んな福岡ですが、コロナ禍で戸建も勢いづいてきたのではないでしょうか。
中島 はい。コロナ“禍”といわれるなかで、業界的には“福”といえると思います。助成金の効果もあり、リフォーム受注も好調です。とくにリモートワーク・授業の普及で、専用の在宅部屋など個別のスペースをつくってほしいという声は多くいただいています。
家で過ごす“おうち時間”が長くなったことで、増築して部屋数を増やしたり、デッキを設けたりという需要が生まれ、OBのお客さまからの受注が増えている格好です。
新規物件に関しては、広告宣伝費の削減という点で効果が出ています。コロナ前はチラシの配布や看板の設置などを積極的に行っていましたが、コロナ禍でこれまで以上にインターネットからの反響営業で完結することが増えたのも大きいです。合わせて、社員の残業時間も大幅に減り、販管費はコロナ前に比べ大きく減りました。
──人材を効率良く活用できるようになりますね。業容の拡大についてはいかがお考えでしょうか。
中島 1つのことだけで事業を展開していると、どうしても外的要因により浮き沈みが激しくなってしまいます。当社は核となる新築戸建事業のほか、賃貸事業やリフォーム・リノベーション事業など、複数の事業を展開していますが、営業エリアに関しては限定している状況でした。
そこで、九州八重洲創業の地でもある東京・八重洲に支店を開設しようか、海外市場の開拓を目指そうかと、考える時期がありました。無論、当社のみで決定できることではありませんので、西部ガスとも話し合い、進出先の候補にVIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)を挙げ、最終的にフィリピンに決定しました。2017年に現地法人を立ち上げ、前述の通り、現在約10億円の売上規模にまで成長しています。今はこの体制をより強固なものにしていくことが大切だと考えています。
(つづく)
【文・構成:代 源太朗】
<プロフィール>
中島 久雄(なかしま・ひさお)
1972年5月生まれ。95年4月、九州八重洲興業(株)入社。用地仕入や多岐に渡る戸建住宅の企画開発を手がけ経験を積み、同社賃貸部門の法人化や三井不動産販売(株)との業務提携などに携わる。2000年12月、西武ハウス(株)入社。同社取締役を経て、08年4月、九州八重洲興業の専務取締役に就任。11年4月から九州八重洲(株)の取締役副社長を務め、22年4月、代表取締役社長に就任した。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中島 久雄
所在地:福岡市博多区東比恵1-5-5
設 立:1977年11月
資本金:1億8,000万円
TEL:092-472-2888
URL:https://kyushu-yaesu.co.jp法人名
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