コロナ禍でアジア食品店増加(3)韓国気分を味わう
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新型コロナウイルスの感染拡大で外国との往来が制限され、外出自粛および飲食店への営業時間短縮要請などが出されるなか、在留外国人を中心に、海外の食材・調味料の需要が急激に拡大した。それを受け、輸入食材・調味料などを扱う食品専門店が相次いでオープンしている。外国の食文化などが好きだが外国に行けないという日本人にも人気で、市場は拡大している。
日本で海外気分を味わう
コロナ禍で韓国に行けない日本人に韓国の気分を味わってほしいとして、日本人顧客を強く意識した店舗が、韓国商品を扱う「YESMART福岡」や「あいマート」だ。
YESMART福岡(福岡市博多区)は「永山福岡免税店」からの業態転換として20年11月にオープン。運営する(株)YES MARTは家電卸売や免税販売などを行う(株)永山の子会社。永山はYESMART新宿店を2000年にオープンさせるなど、早くから韓国商品店を展開している。食品を中心に化粧品なども扱っており、商品アイテム数は1,000以上で、プライベートブランド商品も開発している。調味料、酒類、海苔、茶、キムチ、ゆず茶などの定番商品から珍しい菓子まで販売しており、とくにラーメンの種類は非常に豊富だ。
韓国風フライドチキンを提供する「YESチキン」、デコレーションを凝らした大型のマカロン「トゥンカロン」の専門店も併設しているのが、大きな特徴だ。食を中心として、韓国に行った気分を味わえる店舗となっている。
YESMARTは近年、九州各県での出店を加速しており、昨年は若松店(北九州市)、今年は熊本店をオープンさせ、さらに佐賀店が今月オープン予定となっている。大分・長崎・鹿児島・宮崎の各県でもオープン予定だ。
あいマート(糟屋郡粕屋町)は21年4月にオープン。運営する(株)新世界は、観光関連事業などを手がけている。同店は「楽一福岡免税店」((株)JTC)の建物内にある。福岡市中心部から離れた立地であるが、イオンモール福岡に近く、帰りに立ち寄る来客もいると見込んでのことだ。イオンのスーパーでも韓国のラーメンなど一部の食品が販売されているが、あいマートは豊富な食品をはじめ、化粧品、芸能人グッズなどをそろえ、韓国専門店としてアピールしている。
開店当初はエントランス部分を韓国の気分を味わえる撮影スペースとしていたが、現在は中国やベトナムなどの食品を扱う「アジアの駅」が入居している。ベトナム人の来客が徐々に増え、あいマートで、ベトナム本国で知名度が高いロッテの「チョコパイ」などを購入していくといった相乗効果も見られる。
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業界に一石を投じる新興勢力たち~(株)三味、(株)YESMART両店とも顧客は日本人が最も多く、その比率も上昇傾向にある。SNS上で情報を積極的に発信しているほか、日本のメディアに取り上げてもらうなど、日本人顧客の開拓に力を入れている。物流面では、基本的に東京で一括して輸入し、九州まで運んでいる。YESMARTは本部が東京にあることも関係しているようだ。韓国貿易センターの関係者は、九州での取扱量が増えれば九州の港湾に輸入できるとの見方を示しており、今後、九州市場が拡大すれば物流コストの削減などにつながっていくだろう。
(つづく)
【茅野 雅弘】
<SHOP INFORMATION>
■YESMART福岡店
所在地 :福岡市博多区榎田1-4-72
営業時間:午前9時~午後8時
TEL :092-292-1273
URL :https://eisan.net/featured_item/fukuoka/■あいマート
所在地 :福岡県糟屋郡糟屋町大字酒殿宇苅ヤ田259-1
営業時間:午前10時~午後7時
TEL :092-652-1800
URL :https://www.fukuoka-aimart.com/法人名
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