2024年11月22日( 金 )

市民の安全より自己保身を貫く久留米市役所と鹿島建設の欠陥隠しを暴く(10)

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鹿島欠陥マンション裁判

一級建築士 仲盛昭二、一級建築士 星野信治

4.構造計算書の日付について

 久留米市長の回答書では、建築確認通知書に添付されている構造計算書の日付に食い違いがあることを理由として「当該構造計算書は確認申請時のものではない」と回答しています。

 この点については、以前、久留米市建築指導課の本山課長が、「前半部分と巻末部分の計算書に印字されている日付が異なっているので、建設現場において、計算書が差し替えられている(と断言した)。したがって、行政として、構造検証結果の精査を行う事は無い」と発言し、この問題から逃げたという経緯があります。

 当時の構造計算書の日付は、作成者が任意で手入力するものであり、西暦と元号の数字を間違えた可能性は極めて高く、そう考えるのが妥当だと思われます。現実に、建築確認審査において、そういう類の指摘は日常的にありました。久留米市の建築確認審査がずさんだったから、このような構造計算書が建築確認を通過したのです。そもそも、久留米市による、設計事務所と鹿島建設のヒアリングにおいて、この問題を問い質したのでしょうか? ヒアリングの際に質問していれば解決した事です。

 この日付の問題は、本件裁判において、木村建築研究所、及び、鹿島建設に回答を求めれば解決できることです。審査上のミスはミスとして認め、本件マンションが安全なのか、危険なのか、その判断を示せば良いだけの事なのです。

 現存する建物の耐震強度と、構造計算書の日付の食い違いは次元の違う問題であり、工学的には、全く無関係な話です。
 久留米市の逃げ腰の姿勢は見苦しく、そのような行政の態度を市民に見せるべきではないし、直ちに改めるべきです。

(「技術意見書(2)」につづく)

 
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