2024年12月22日( 日 )

民泊代行・airBest(エアベスト)が破産

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    民泊代行・airBest(株)(福岡市博多区、黒木透社長)は12日、福岡地裁に破産手続きの開始を申請した。申請代理人は朝雲秀弁護士(朝雲法律事務所、福岡市中央区天神1-3-38、TEL:092-791-7097)。負債額は2億2,543万円。

 2015年10月に福岡市で民泊運営代行業を開始した同社は、16年1月に札幌支店を開設し、同年3月には大分県由布市においても宿泊施設の運営代行を開始。黒木透社長による民泊施設の開発コンサルティングを強みに業容を拡大していった。

 18年3月期には受託室数も大幅に増加し、売上高4億2,701万円、経常利益1,222万円を計上。19年3月期には売上高5億3,380万円、経常利益6,333万円を計上し、20年春の東証マザーズ市場上場も視野に入れていた。

 しかし、19年夏の外交問題に端を発する韓国人観光客の激減で、20年3月期は最終赤字となったほか、21年3月期からはコロナ禍により業績が急落。大幅赤字を計上した。2期連続の最終赤字となったことで、同社は計画変更を余儀なくされることとなる。

 20年3月時点では福岡市など九州で343室、北海道で247室の運営受託を行っていたが、長引くコロナ禍により、21年3月期末時点では九州224室、北海道151室に減少。同期の売上高は1億7,638万円にまで減少したほか、2億円を超える最終赤字を計上し、債務超過の状態に陥っていた。

 宿泊需要の低迷が長引くなかで、資金繰りが悪化した同社は、制度融資の活用や新株発行などによる資金調達を実施。さらに今年4月には、株式投資型クラウドファンディングによる増資を図るも、目標額に届かず断念していた。その後も採算割れの状況に歯止めをかけることができず、資金繰りは悪化の一途をたどったことで、6月までに事業を停止。今回の措置となった。

 福岡県や北海道で手がけていた宿泊施設の一部を除き、福岡県・鹿児島県・東京都の物件は東邦ハウジング(株)(福岡市中央区)、大分県は(株)リョウ・コーポレーション(福岡市南区)、北海道は(株)Leading Property Management(福岡市博多区)が、いずれも権利義務が移行する事業譲渡によらず営業権を引き受け、運営を継続している。

【永上 隼人】

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