【脊振の自然に魅せられて】橙色のヤマツツジに元気もらう
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脊振では春の代表的な花、コバノミツバツツジやツクシシャクナゲが咲くころ、多くの登山者がやってくる。春の花の季節が一段落すると、登山者も少なくなり、静かな山に戻る。
脊振山系では、季節を通していろいろな花や花木が咲く。筆者は、花たちとの出会いを楽しみに季節を問わず歩いている。
梅雨の季節(6月中旬)、雨の後、脊振山頂駐車場に車で上がり、気象レーダー方面へ歩いた。ブナに囲まれた山道は霧でぼんやりとしていた。すると、前方に1本の小さな橙色の木が目に飛び込んできた。
ヤマツツジである。ヤマツツジは静かに霧のなかでたたずんでいた。彩りのあるコバノミツバツツジやツクシシャクナゲが咲き終わった後、静かに咲くのがヤマツツジである。ヤマツツジは群生していない。この季節、ヤマボウシなどの白い花が多いため、橙色のヤマツツジは山で目立つ。
この場所からさらに気象レーダー方面へ進む。5月にコバノミツバツツジを撮影した巨木を遠目に見た。すると、ブナの横でヤマツツジが咲いていた。
白雪姫(巨木)が、お供を連れて立っているように思えた。この巨木のブナは、季節の花たちに囲まれて過ごしているのかもしれない。
気象台専用道路から笹藪をかき分け、巨木のブナ近づく。10mほどの距離である。息を止め、巨木のブナとヤマツツジをフレームに入れ撮影する。撮影を終え、専用道路に引き返すとズボンは露でびっしょり濡れていた。
ここから気象レーダーまでのアスファルト道をさらに10分ほど歩いた。すると、右手の崖の斜面に小振りのヤマツツジが盆栽のように点々と咲いていた。
ヤマツツジは露をいっぱい付けていた。雨上がりのヤマツツジは美しい。艶やかさはないが、梅雨の時分に山を歩くと、樹木やミヤコザサのなかで咲く橙色のヤマツツジに引かれる。筆者は、山でヤマツツジを見かけると元気になる。
曇り空のなか、鶯や野鳥の鳴き声が響き渡り、イワツバメがスイスイと舞っていた。誰もいない静かな山だった。
2022年7月14日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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