2024年09月06日( 金 )

上半期貿易赤字が過去最大 対ロシア資源輸入額が大幅増加

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 財務省が21日に発表した上半期(1~6月)の貿易統計速報によると、貿易収支(輸出額-輸入額)は過去最大の7兆9,241億円の赤字となった。

 輸出額は45兆9,378億円(前年同期比15.2%増)、輸入額は53兆8,619億円(同37.9%増)といずれも増えているが、輸入額の大幅増加が目立つ。国別にみると、主要国との間の輸出額・輸入額ともに前期から伸びている。輸出では、最大の輸出先である中国向けが同3.7%増と、米国・EU・ASEAN・韓国向けがいずれも15%以上の増加率となったのに比して振るわなかった。ゼロコロナ政策により物流・生産などの経済活動に制限がかかった影響とみられる。輸入額の増加はロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰と円安によるものとみられる。

 ロシアとの間では、輸出額は同29.0%減と大幅に減少したものの、輸入額は同70.1%増と全体を上回る伸び率を示している。対ロシア輸入額の構成比で66.8%を占める鉱物性燃料について、「原油および粗油」は輸入数量が同21.7%減ながら価格が同38.8%増、「液化天然ガス」は数量が同7.7%増で価格が同106.5増と、輸入コストが大幅に増加していることがみてとれる。

【茅野 雅弘】

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