中国への第一四半期の投資額、韓国が初めて1位へ
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
投資額増加の要因は?
中国の人件費の上昇による生産コストの上昇、日中関係の悪化などが影響して日本企業の中国離れが進んでいる。日本の一部の大企業とデパートなどは中国から撤退をし始めている。そのようななかで韓国は2015年の第一四半期において16億2,000万ドルを中国に投資して、投資額において1位に躍り出た。第一四半期に日本は10億6,000万ドルを、シンガポールは12億3,000万ドルを、台湾は12億9,000万ドルを、アメリカは6億2,000万ドルを投資したので、投資額において韓国は初めて1位を占めることになった。日本は2013年度に中国に70億6,000万ドルを、それから2014年には43億3,000万ドルを投資することによって、投資額を減少させているのに、韓国は対照的な動きになっている。
韓国の投資額増加の原因としては、中韓FTA締結を控えていることと、中国市場に積極的に進出しようとする韓国企業の中国市場への期待感の表れであると分析している。サムスン電子は西安(シーアン)に半導体工場を建設するため70億ドルの投資を決定し、第2ラインの建設が進められているし、現代自動車も重慶(チョンチン)に中国の第4工場の建設を進めていることなど、大型投資案件も影響している。
韓国は対中国の輸出輸入の合計である貿易総額においても、アメリカについで2位になった。日本は円安の影響で最近中国への輸出が減少している。中東での建設受注額、73%の急激な減少
韓国国内の建設景気の冷え込みの解決策として、中東地域は政府関係者と建設業界の間で期待を集めていた地域である。しかし、最近中東での受注額は急激に減少していることが明らかになった。その原因としては、中東の国々は原油安で財政的に厳しくなって、予定していた発注をキャンセルし始めているからだ。海外建設協会の発表によると、2015年5月末現在の海外建設の受注額は231億3226万ドルで、前年同期の311億1993ドルに比べて25.7も%減少している。このなかで、中東で受注した金額は67億1497万ドル。前年同期対比で72.6%も減少している。契約件数も去年は52件であったのに対して今年は23件で半分ぐらいに減っている。海外建設のなかで中東が占める比率は、5~6割くらいであって今までは中東への期待が高かったが、これからは中東への期待を下げざるを得ない状況になっている。
原油安で財政的に厳しくなった中東では、新しい事業の展開に消極的になって、予定していたプロジェクトも中止が相次いでいる。
4年前からスタートした世界最大規模の、石油化学団地をカタールに建設するプロジェクトは、ロイヤルダッチシェルとカタールの国営石油公社が共同で発注をしたが、今年の1月になってそのプロジェクトは中止されている。また今年の3月に韓国の朴大統領が中東歴訪するなかで受注が決定したクウェートのアルジュート石油工場プロジェクト(NRP)も発注が見送られている。
建設業界では、原油価格が上昇すれば中東の建設市場は回復するだろうと期待しているが、いずれにしても今年の海外受注額は600億ドルを下回ることになりそうだ。関連キーワード
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