【BIS論壇No.387】BISの過去と将来展望
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NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は8月5日の記事を紹介する。BISは1992年2月創設以来、2022年2月に31年目に突入した。前半の15年は米国競争情報専門家協会(SCIP―1986年創設)を参考に競争情報(Competitive Intelligence)などの紹介と理論的研究を行い、米国で発刊の競争情報関連書籍の日本への翻訳紹介に努力した。しかし、日本では情報に関してはそれほど関心が向けられなかった。米国CIA(中央情報局)に起源をもつ競争情報についても一部を除いて関心が示されなかった。
BISとしては競争情報よりもビジネスインテリジェンス(Business Intelligence-BI―高度経済経営情報)に注力して研究を継続した。日本同様スウェーデン、フランスはBIに注力。競争情報は本場の米国、英国、イスラエル、中国、ロシアなどが研究を深めた。
日本では日本コンペティティブ・インテリジェンス学会(Academy of Competitive Intelligence=会長・高橋文行日本経済大学大学院教授=顧問・中川十郎)が競争情報を主体に理論的、学術的研究を行っている。BISとACIとは協力して競争情報、BIの研究を行っている。
BISでは後半の15年は理論研究よりも情報実践に注力。日本経済および国際経済のインテリジェンス面からの分析を行い、研究会参加者の実務、研究、生活に役立つべく、実践的情報収集、分析、活用法の研究に注力している。
地域的には21世紀に発展する中国、インド、インドネシア、ベトナム、タイなどASEANを中心に経済・市場情報研究を行っている。
今後は知識情報時代、AI、Big Data、DX時代到来を見据え、人的資本、無形資産開拓の観点から情報研究に努力したいと考えている。
あわせて、ポストコロナを見据え、健康、医療情報の研究を国際伝統・新興医療融合協会とも協力し強化したい。一方環境問題研究については国際アジア共同体学会と協力し、研究を深めたいと考えている。
さらに政治、経済情報のみでなく、21世紀に重要となる文化芸術情報についても関係各位と協力し、観光情報も含め、研究を発展させたい。
情報化時代を迎え、Fake Newsが氾濫している現状下、正確な正しい情報の収集、活用法研究にさらに一段と努力を傾注したい。
このままでは日本の衰退が避けがたいと思われる。日本のさらなる発展のためのビジネスインテリジェンス収集、活用法研究に今後とも努力を傾注したい。この面においてデータ・マックス社やDEVNET International、さらに国内外の経済研究所、情報研究所との関係を強化し、情報氾濫時代にむけて正しい情報収集、分析、活用法研究にさらなる尽力をしたい。
BIS顧問、理事、会員各位のご指導、ご支援を期待する次第です。
<プロフィール>
中川 十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)関連キーワード
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