2024年12月23日( 月 )

『すばらしき脊振の四季』出版

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すばらしき脊振の四季 春

 脊振山系に通い始めて25年が過ぎた。学生時代を含めると55年にもなる。脊振の魅力は、何と言っても1,000m近い自然に恵まれた山々が福岡市や佐賀市近郊から車で1時間の距離にあることだ。福岡県と佐賀県の県境に位置し、基山から十坊山まで70kmの山系となっている。

 西に博多湾、玄界灘。東に佐賀平野、有明海、雲仙岳を望む。脊振山の航空自衛隊レーダー基地、羽金山電波送信所など国の重要な設備もある。

 ブナ林をはじめ多くの広葉樹や野草が四季折々にいろいろな顔を見せ、冬は50cmの積雪もある。ルートに適した登山口も多くあり、日帰りで自分なりの登山や縦走も楽しめる。

 50歳前から好きなカメラで山の自然や花を撮影し始めた。花の名前も分からず、きれいな花にレンズを向け続けた。そして写真集「ひこさんの花」との出会いが山野草の撮影に魅力を感じるようになった。高校で生物の先生であった田川郡在住の作者をお訪ねした。青春時代を過ごした田川との縁もあった。

1枚1枚を丁寧に

すばらしき脊振の四季 夏

 当時は1枚1枚、露出と絞りを工夫してのフイルムでの撮影であった。私が長年使用していたネガフィルムでは繊細な色が表現できない。作者はコダックのポジフイルムを使っており、撮影済みのフイルムも見せてもらった。大変、勉強になった。それからポジフイルムでの撮影を開始した。ポジフイルムは露出が0.3違うと色が変わる。自分のイメージする通り撮影ができたか現像ができあがるのが楽しみだった。カメラ店へ現像を出しに頻繁に通った。現像が待ち遠しく、恋人に会う気持ちだった。

 深夜ラジオを聴きながら、写真集の原稿にするため撮影済のスリーブ(ファイルに入ったフイルム)を1枚ずつ丁寧にハサミでカットし、マウントに仕上げた

 苦労して10年間撮り貯めた脊振の写真集『脊振讃歌』が出来上がった。2008年出版の「脊振讃歌」は国立国会図書館、福岡市総合図書館の蔵書となっている。

 時も変わり、カメラはフイルムからデジタルへ移行した。画素数も増え、飛躍的に技術が進歩した。そして一眼レフ、ミラーレス、スマートフォンと誰でも気軽に写真を撮れる世の中になった。

3冊目『すばらしき脊振の四季』を出版

すばらしき脊振の四季 秋

 デジタルカメラになっても、筆者が花や自然と向かいあう気持ちは変わらない。感動の一瞬が良い写真を生む。花は「こんな風に撮影してね」と筆者に語りかける。早朝、雨あがりの植物たちは露をつけ神秘的な表情を見せ、森は一面霧のシルエットとなる。そんな光景にカメラを向ける瞬間に筆者は魅了される。そして花や樹木に「ありがとう」「来年また会おうね」と感謝する。

 デジタルカメラで15年撮影した感動の瞬間を写真集とした。多くに方に見てもらいたいとページ数も通常の2倍の写真集となった。3冊目の脊振の写真集となる『すばらしき脊振の四季』誕生である。

 私の思いをすべて受け入れてくれた(有)櫂歌書房の東社長と、表紙カバーデザイン制作の(有)ケイプランナー清澄さんに感謝申し上げる。西南学院大学の同期と後輩でもある。不思議な縁を感じる。

 『脊振讃歌』『脊振讃歌II』『すばらしき脊振の四季』は脊振で唯一の写真集である。

池田友行『(写真集)すばらしき脊振の四季』

池田友行『(写真集)すばらしき脊振の四季』(櫂歌書房、2022年7月)
フルカラー257ページ B5変形 限定出版
定価4,899円(税込)
お求めは櫂歌書房まで(書店での取り扱いはなし)
TEL:092-511-8111
Fax:092-511-6641
E-mail:e@touka.com
URL:http://www.touka.com/
※発売記念で絵はがき16枚セット プレゼント中!

推薦文

清野聡子
海洋環境研究者、九州大学大学院工学研究院環境社会部門 准教授

 脊振山系からの水は、博多湾、玄界灘を潤してくれています。池田氏は、四季折々の光景をつぶさに写真で記録してこられました。大都市の背後に多様な生態系があるとは、氏の映像記録がなければ知ることはなかったでしょう。脊振山(1,055m)付近の生態系は積雪もあるため高山に近いとされます。日本列島の多様な動植物の分布にとっても重要な地です。
 そして、ブナ林をはじめとする多様な生態系は、まさに気候の変化に影響を受けやすいのです。脊振山系の自然は、私たち人間の未来を考えるにも大切な羅針盤となっています。
 氏の貴重な記録が四季折々の写真集となって世に示されることで、多くの人が脊振山系を通じ地球の状況を知る機会となります。

読者の声

福岡市 会社経営者 Sさん(女性)
 すばらしい写真の数々ももちろんですが、植物や自然への造詣の深さに感服いたしました。また池田さんの写真には一本静かな芯が通ったような雰囲気を感じ、さわやかな時間を過ごしました。

長崎市 歌人 Tさん(女性)
 どの写真もまるで3Dのように奥行きが感じられます。山の精霊が宿ったようなすばらしい花たちに魅了され、咲く花の生命力をまぶしいほど感じました。雷山上宮の神々しさ、雫をまとった雨上がりのヤマエンゴサク、マクロ撮影のタンポポ、躍動する滝等々……。すばらしい写真集です。すばらしい自然、穏やかな気持ちになりました。

新聞社勤務 Nさん(男性)
 写真集、ずっしりとした厚みがいいですね、もちろん1枚1枚の写真も。糸島の東端に住んでいるものですから、毎朝、カーテンを開けて金山や雷山の様子を眺めるのが日課です。写真集のような世界があの山の四季折々で展開されているんだなぁと、思うだけで嬉しくなります。

農学博士(昆虫生態学) Kさん(男性)
 今後の貴重な資料としても価値があるものと思います。

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