【表1】は九州に本店がある地方銀行の金融グループ3社および北九州銀行を傘下に置く山口FGの2023年3月期 第1四半期(22年6月期)の当期純利益順位表である。
◆当期純利益の1位は昨年に続きふくおかFGで、前期比+18億1,000万円の170億4,700万円(+11.9%)。金融グループ4社(含む山口FG)におけるシェアは40.0%を占めている。
・2位は昨年3位だった九州FGで、前期比+27億300万円の96億7,100万円(+38.8%%)。シェアは22.7%。
・3位は西日本FHで、前期比▲13億9,500万円の82億8,300万円(-14.4%)。シェアは19.4%。
・4位は昨年と同じく山口FGで、前期比+728百万円の76億2,700万円(+10.6%)。シェアは17.9%となっている。
◆西日本FHが前期比マイナスとなっているものの、ふくおかFG、九州FG、山口FGの3社は増益となっている。
◆ふくおかFG、九州FG、西日本FHの3社は東証プライム・福証に上場しているが、山口FGは東証プライムのみに上場している。
【表2】は九州地銀(18行)の23年3月期 第1四半期(22年6月期)の当期純利益順位表である。
◆昨年はふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀行が合併して十八親和銀行となったため、17行だったが、ふくおかFGがデジタルバンク「みんなの銀行」の営業を開始したことから18行となっている。
◆当期純利益の1位は昨年に続き福岡銀行で、前期比+8億2,700万円の152億5,400万円(+5.7%)。九州地銀18行におけるシェアは30.5%と圧倒的に高い。
・2位は西日本シティ銀行で、前期比▲12億500万円の74億2,500万円(-14.0%)と減益となっている。シェアは14.9%。
・3位は昨年5位だった肥後銀行で、前期比+35億1,900万円の+65億8,300万円(+114.8%)と大幅な増加。シェアは13.2%。同じ九州FG内での面目を保ったといえる。
・4位は昨年3位だった鹿児島銀行で、前期比+7億5,400万円の53億4,500万円(+16.4%)。シェアは10.7%。ここまでがシェア10%以上であり、4行で69.3%を占めている。
・5位は昨年7位だった宮崎銀行で、前期比+6億1,600万円の30億8,400万円(+25.0%)。
・6位は昨年8位だった佐賀銀行で、前期比+7億900万円の28億700万円(+55.8%)と大幅な増益となっている。
・7位は昨年6位だった大分銀行で、前期比▲4億1,200万円の24億1,600万円(-14.6%)と減益。
・8位は昨年4位だった十八親和銀行で、前期比▲15億8,600万円の24億500万円(-39.7%)と大幅な減益。合併の効果が表れるのはまだ先のようだ。
・9位は昨年も9 位だった北九州銀行で、前期比+4億5,300万円の15億4,400万円(+41.5%)と大幅な増益。
・10位は昨年も10位だった熊本銀行で、前期比+1億3,800万円の12億1,700万円(+12.8%)。
・11位は昨年15位だった筑邦銀行で、前期比+3億1,300万円の5億6,300万円(+125.2%)と倍以上の増益。
・12位は昨年13位の宮崎太陽銀行で、前期比+1億3,200万円の5億5,900万円(+30.9%)と大幅な増益。
・13位は昨年11位だった南日本銀行で、前期比▲2億2,000万円の5億1,400万円(-30.0%)と大幅な減益。
・14位は昨年12位だった豊和銀行で、前期比▲1億4,600万円の4億8,400万円(-23.2%)と減益。
・15位は昨年14位だった佐賀共栄銀行で、前期比+2,000万円の3億6,400万円(+5.8%)。
・16位は昨年の順位が筑邦銀行と同じく15位だった福岡中央銀行で、前期比+1億1,300万円の3億6,300万円(+45.2%)と大幅な増益となったものの、順位は下げている。
・17位は昨年と同順位の西日本FH傘下の長崎銀行で、前期比4,200万円の+2,900万円。前期の▲1,300万円の赤字からプラスに転じているが、定着するかどうかを見守りたい。
・18位はふくおかFG傘下のみんなの銀行で、前期比-4億6,200万円の▲10億1,500万円。地銀初のデジタルバンクは暗中模索の経営状況にあるようだ。
<まとめ>
コロナウイルスの感染拡大や日銀のマイナス金利政策が続くなか、九州地銀18行のうち、22年6月期の当期純利益が前期比プラスの銀行は12行。マイナスの銀行は6行となっている。総じて収益力の弱い第二地銀にとって、厳しい経営状況は今後も続くことになりそうだ。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問:浜崎裕治】