九州地銀(18行)の2023年3月期第1四半期決算検証(3)
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【表1】は、九州に本店がある地方銀行の金融グループ3社の2023年3月期第1四半期(22年6月期)の貸出金残高順位表である。
金融グループ3社の22年6月期の貸出金は、前年比5,114億円増の33兆4,185億円(前年比1.6%増)。22年3月期比も4,446億円増(同1.3%増)。ただ、西日本フィナンシャルホールディングス(FH)だけが前年比、22年3月期比ともマイナスとなっている。
1位はふくおかフィナンシャルグループ(FG)で、同1,732億円増の17兆108億円(同1.0%増)。22年3月期比も3,072億円増(同1.8%増)。シェアは50.9%(前年51.2%)と下げているが、過半数は維持している。
2位は西日本FHで、同994億円減の8兆3,334億円(同1.2%減)。22年3月期比も1,374億円減(1.6%減)となった。シェアは24.9%(前年25.6%)と下げている。
3位は九州フィナンシャルグループ(FG)で、同4,376億円増の8兆743億円(同5.7%増)と大幅に増加し、8兆円台に乗せた。22年3月期比も2,748億円増(3.5%増)となった。シェアも24.2%(前年23.2%)と、同社だけが拡大している。
北九州銀行を傘下に置く山口フィナンシャルグループ(FG)は、同3,453億円増の8兆2,188億円(同4.4%増)。22年3月期比も749億円増(0.9%増)となっている。
【表2】は、九州地銀(18行)の23年3月期第1四半期(6月期)の貸出金残高順位表である。
昨年は17行だったが、ふくおかFG傘下のデジタルバンク「みんなの銀行」が加わり18行となった。
1位は福岡銀行で、前年比5,054億円増の11兆6,317億円(前年比4.5%増)。22年3月期比は96億円減(同0.1%減)と微減。
2位は西日本シティ銀行で、同1,055億円減の8兆1,027億円(同1.3%減)。22年3月期比も1,333億円減(同1.6%減)とマイナスとなっている。
3位は肥後銀行(前年4位)で、同3,565億円増の4兆2,283億円(同9.2%増)と大幅増となり、4兆円台に突入。22年3月期比も2,430億円増(6.1%増)と大幅増。
4位は鹿児島銀行(前年5位)で、同933億円増の3兆9,269億円(同2.4%増)。22年3月期比も330億円増(同0.8%増)。グループの肥後銀行との差は大きくなっている。
5位は十八親和銀行(前年3位)で、同4,025億円減の3兆6,062億円(同10.0%減)と大幅に減少し4兆円割れ。ただ、22年3月期比は2,364億円増(同7.0%増)と大幅に増加している。親和銀行と十八銀行は20年10月に合併し、十八親和銀行が発足。今後、合併の効果がどのように出るかを注視したい。
6位は宮崎銀行で、同1,223億円増の2兆2,829億円(同5.7%増)。22年3月期比は252億円増(同1.1%増)。
7位は佐賀銀行で、同1,517億円増の2兆1,873億円(同7.5%増)と大幅な増加。22年3月期比は413億円増(同1.9%増)。
8位は大分銀行で、同735億円増の2兆65億円(同3.8%増)。22年3月期比は345億円増(1.7%増)。ここまでが貸出金が2兆円以上の銀行である。
9位は熊本銀行で、同700億円増の1兆9,213億円(同3.8%増)。22年3月期比は830億円増(同4.5%増)。
10位は北九州銀行で、同512億円増の1兆3,056億円(同4.1%増)。22年3月期比は169億円増(1.3%増)。ここまでが貸出金が1兆円以上の銀行である。
11位は南日本銀行で、同48億円減の5,818億円(同0.8%減)。22年3月期比は58億円減(1.0%減)。11位からは貸出金が1兆円以下の銀行で7行を数える。
12位は宮崎太陽銀行(前年13位)で、同120億円増の5,335億円(同2.3%増)。22年3月期比は17億円増(0.3%増)。
13位は筑邦銀行(前年12位)で、同53億円減の5,273億円(1.0%減)。22年3月期比も112億円減(2.1%減)と低迷。宮崎太陽銀行と順位が入れ替わっている。
14位は福岡中央銀行で、同1億円減の4,301億円(同0.0%減)。22年3月期比も30億円減(同0.7%減)。14位以下は前年から順位の変動はない。
15位は豊和銀行で、同29億円増の4,173億円(同0.7%増)。22年3月期比は4億円減(同0.1%減)。
16位は長崎銀行で、同65億円の2,722億円(同2.4%増)。22年3月期比は37億円減(1.3%減)。
17位は佐賀共栄銀行で、同32億円減の1,951億円(同1.6%減)。22年3月期比も4億円減(0.2%減)となっている。
18位はみんなの銀行で、同28億円増の29億円と大幅増。22年3月期比は1億円減(3.3%減)。ボリュームを増やすことが最大の目標のようだ。
九州地銀(18行)の6月期の貸出金は、同9,267億円増の44兆1,596億円(同2.1%増)となっている。新型コロナウイルスの感染拡大は、九州の地銀および企業の経済活動に大きな影響を与えているが、貸出金1兆円以下の銀行と第二地銀はさらに厳しい状況に陥っているようだ。
(つづく)
【(株)データ・マックス 顧問 浜崎 裕治】
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