【台風11号が去って(2)】交通機関への多大な影響
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大型で強い台風第11号の接近を受けて、福岡都市圏では各鉄道路線が前日5日夜から終電時間を繰り上げたほか、6日の始発からの運行見合わせなどをあらかじめ発表していた。
台風が通過して暴風域を抜けた後、福岡市地下鉄が午前9時半以降に運転を再開したほか、JR鹿児島本線(門司港~玉名間)が正午ごろから運転を再開するなど、各交通機関は順次運転を再開しているが、依然として影響は続いている。
今回の台風による交通機関のマヒは、福岡都市圏での通勤に多大な影響をもたらした。奇しくもコロナ禍の影響で、従前に比べるとリモートワークなどの環境が整ってきているとはいえ、すべての業種・業態でリモートワークに対応できているわけでもない。まだ多くの企業では、会社に出勤して働く、というやり方が一般的だろう。となると、ほとんどの交通機関がいっせいに不通となってしまうと、企業による経済活動の停滞を余儀なくされてしまう。
今回の台風11号では、少なくとも福岡都市圏においては、目立った甚大な被害が出ていないのが何よりだ。ただし同時に、福岡における都市交通の脆弱性も浮き彫りとなったように思える。とくに、これまでは並大抵のことでは運行休止とならなかった福岡市地下鉄の運行まで止まってしまったのは、意外だった。
来年3月には七隈線が博多駅まで延伸開業し、これまで以上に市民にとって重要な“足”となることが目されている福岡市地下鉄。安心・安全な運行が大前提なのはもちろんだが、台風のような自然災害発生時における交通機関の“最後の砦”として、その役割に期待したい。
【坂田 憲治】
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